サムハラ銭 陸軍省
形態 : 楕円形穴あき銭
分類 : 縁起銭/お守り銭
サイズ : 縦 31mm、横 21mm、厚さ 2.5mm
量目 : 7.4g
材質 :銅
お宝度:◎◎◎◎◎◎
作銭度:中
サムハラ銭 海軍省
形態 : 楕円形穴あき銭
分類 : 縁起銭/お守り銭
サイズ : 縦 31mm、横 21mm、厚さ 2.2mm
量目 : 6.2g
材質 :銅
お宝度:◎◎◎◎◎◎
作銭度:中
サムハラ虎銭
形態 : 丸形穴あき銭
分類 : 縁起銭/お守り銭
サイズ : 直径 32mm、厚さ 1.8mm
量目 : 9.8g
材質 :銅
お宝度:◎◎◎◎◎
作銭度:上
サムハラ銭 プレス製
形態 : 丸形穴あき銭
分類 : 縁起銭/お守り銭
サイズ : 直径 25mm、厚さ 1.8mm
量目 : 6.3g
材質 :銀色金属
お宝度:◎◎◎
作銭度:上
サムハラとは、
「[扌+合+辛][扌+台][扌+合+辛][扌+包+口]」
という不思議な4文字
(奇妙なる文字、あるいは符字とも呼ばれる特殊な漢字)
からなり、身を守る効果があると信じられています
加藤清正が戦の際に刀に彫りつけて
万死に一生を得たという逸話が残っていたり
江戸期の随筆「耳囊」など書物に度々紹介されるなど
その始まりは少なくとも江戸時代以前に遡り
その効果の内容については
怪我除け、虫除け、地震除けなど多岐にわたっています
このようなサムハラに対する信仰は
民間信仰の中から生まれ、少しずつ様々な意味づけがなされ
いつの間にか人々がその奇跡を信じ、成立していきました
宗教などに権威化されたお札などと違って
こうした俗信の由来は、その時代時代に信じやすいように
様々な逸話が加えられ、加工されていく傾向があります
明治時代以降、我が国が
他国と覇権を争って戦争に臨むようになると
兵士たちの間で弾丸除けのまじないとして
千人針/日の丸の寄書き/衣服への書込み/守り札
などに用いられるようになりました
当時の人々は、弾丸除けの俗信を信じることで
その現実を乗りきろうとしたのではないでしょうか
戦時中の資料には様々な形で登場し
時には、出征する兵士に持たせるお守りとして
大量に配られることもあったといわれています
そういった、戦時中のサムハラに対する信仰を
全国に知らしめ、普及させるきっかけとなったのが
田中富三郎という人物の活動で
現在のサムハラ神社に引き継がれているようです
因みに現在、サムハラ神社は
大阪市西区と岡山県津山市に存在し
祭神は、天之御中主神/高皇産霊神/神皇産霊神で
無傷無病、延命長寿の神とされ
交通事故にあいそうになり、免れた女優さんなど
色々な逸話とともに、多くの信者の信仰を受けています
さて、今回紹介するサムハラ銭ですが
最初の2品は、陸/海軍各省で発行したと想定される
楕円形穴あき銭の護身(お守り)用の銭貨で
兵士が携行したり、着衣に縫い付けたりしやすいように
小型に造られています
3番目は、サムハラ虎銭という銭貨で
表側にサムハラの特殊文字
裏側に水戸や会津の虎銭のような虎の図柄
が入っているのが特徴で
サムハラ銭としての、戦禍から身を守る効果と
虎銭としての、武勇を鼓舞する効果の両方を兼ね備えた
正に時代の要請から、必然的に生み出された銭貨といえます
なお、虎の図柄がある裏側の、周囲の縁取りには
「皇軍萬歳」という文字が刻印されていて
より一層、雰囲気を盛り上げているではありませんか!?
4番目は、銀色、丸形穴あき銭のサムハラ銭で
外観的には、プレス製で近代加工の
スッキリした印象に仕上がっています
裏側に「海軍省」の文字が見て取れますが
これと対になった、同様で金色の「陸軍省」というのも
あったように思うのですが