寛平大寳 當百
形態 : 楕円形穴あき銭
分類 : 皇朝銭/創作銭
サイズ : 縦 49mm、横 33mm、厚さ 2.8mm
量目 : 18.3g
材質 :銅
お宝度:◎◎◎◎◎
作銭度:下
本来、寛平大寳(かんぴょうたいほう)という銭貨は
890年(寛平2年)に、日本で鋳造発行された
皇朝十二銭の10番目にあたる銭貨です
直径19mm前後、重さは2.5g程度の
銅で鋳造された丸形穴あき銭で
銭文は、時計回りに回読式で、寛平大寳と表記され
裏側は無文となっています
新旧銭貨の交換比率は、従前の例に従って
1枚に対し旧銭10枚というのが適用されたと思われます
寛平大寳ついての記録は、ほとんど見当たらず
『日本紀略』の寛平2(890)年4月27日の条に
「改銭貨曰寛平大宝」と8文字あるのが全てです
国史に準ずるそれなりの書物において
8文字程度で済ませて問題ないくらいの
小事だったということでしょうか?・・・
当時、貨幣経済が低迷していたのと
原材料となる産銅の減少が相まって
通貨の価値と品質は悪化の一途をたどっていました
直径、重さは貞観永寳の60〜65%にまで縮小され
「寛」などの画数の多い文字は
正確に鋳出できないくらい小型化してしまったのです
今回紹介するのは、そんな寛平大寳と
同じ銭銘の楕円形穴あき銭です
楕円銭マニアには
何とも興味深く、気になる銭貨ですが
裏面に當百という文字と金座の花押があることから
天平時代の物とは考え難いですね
銭様から判断して
天保通寳を鋳写した後世の創作銭で
稀少性と趣向的味わいを狙った物と思われます