今回は昨日の続きとなります。良かったらチェックしてみて下さい。

https://ameblo.jp/masatolevel3/entry-12841683225.html

 

住友の新事業 広瀬は住友家で大きな力を持つようになり、様々な事業を始めた。一時期停滞していた金融業を再開させて、商品や有価証券を担保に貸付をした。貿易業も始めるために釜山に支店を開設した。しかし壬午事変という現地の兵士の反乱があって、平定した清国軍に商圏を奪われて朝鮮貿易から撤退。

 

 海運業もやるために船を二隻調達したが、船が西南戦争の際に徴用されてた時に暴風に巻き込まれて沈没、もう1隻も古くて機関が爆発して沈没。新たに3隻調達して運行したが、運賃競争で単独での意地が難しくなり、関西の船主で合併して住友は海運業から撤退。

 

 他にも製糸工場を買収して製糸業に進出した。しかし5年間赤字続きで7年で撤退。硫酸事業を始めるも日本で消費先がなく、品質・価格面で勝てなくて苦戦した。製鉄事業もやってが、別子鉱石の銑鉄を使おうとしたが、銅が含まれて製鋼品に適さないということがわかった。

 

住友の発展 広瀬が始めた色んな事業が経営悪化となり、広瀬に「引退しろ」という声が高まった。ここで出てきたのが本店支配人で、広瀬の甥だった伊庭貞剛、広製を辞任させて自らが総理時に就任。

 

 まず広瀬が始めた将来性のない事業を整理、山根精錬所と新居浜製鉄所の閉鎖を命じた。他に別子鉱山の問題解決にあたった。別子銅山は近代化させた結果、煙で農作物を枯らして豊かだった三輪は禿げ山に変えた。それで、1893年に周辺の農民から訴えられて、怒った一部の村民数百名が住友の分店に押しかけられた。伊庭は1894年に精錬所を移転、大規模な投資をして別子山への植林を行うことにした。これが事業化して発展したのが今の「住友林業」

 

 他には住友銀行の設立。元々銀行をやろうという声があったが、広瀬が「銀行業はやりたくない」と拒否。他に日本製銅を買収して住友伸未銅場に変更、銅の加工も行うようになった。これが後の「住友金属工業」や「住友電気工業」になる。20世紀初頭は本格的な電気の時代になり、銅の需要が高まった。

 

 伊庭は事業が安定するのを見計らって10年で総理事を辞めて次代に引き継いだ。3代目総理時に就任したのが元内務省の鈴木馬左也で当時43歳。鈴木は1909年に住友本店を住友総本店にして傘下企業の多くを株式会社化して、住友の組織を近代化させた。1921年に住友総本店を住友合資に改組している。

 

 別子鉱山・銀行・金属を柱に置きつつ、ケーブル工場を分離させたり、肥料製造を立ち上げた。肥料は、別子鉱山で問題になってた煙を処理する過程で肥料が生まれ、肥料事業がスタートした。この事業が現在の「住友化学」。あと鈴木は人材育成を重要視していた「事業は人なり」をモットーにしていたほど、それで学卒者の定期採用を実施したり、官僚や司法関係者をスカウトした。当時の優秀な人たちは民間より公的機関の方が多かった。

 

 そして鈴木の功績で最も有名なのが商社、鈴木の功績は商社の進出を止めたこと。当時は第一次世界大戦の影響で好況なのもあり、各財閥は商社を設立していて商社ブームだった。住友も商社設立を計画したが鈴木は設立しないと宣言した。第一次世界大戦が終了し、反動恐慌で多くの商社が破綻した。それで、この鈴木の判断が間違ってなかったと評価されている。

 

住友最後の総理事 着実に成長していく中、戦時中の1941年に第7代総理時として古田俊之助が最後の理事を務めた。戦後には財閥解体という強制イベントがあった。この戦後から財閥解体の微妙な時期に始めたのが商社だった。元々、住友の中で商社はタブー扱いだったが、海外戦地から元住友社員の復員兵が戻ってきた。それで、彼らのために新規事業の設立が必要で、始めたのが商事部門だった。元々、不動産や建設を担っていた住友土地工務が復興資材の販売許可を求めたので、商事部門をくっつけて日本建設産業にした。これが後の「住友商事」。設立当初は商売の素人で商圏もなく、住友の名前もないから相当苦労したそうだ。そしてこの後、財閥解体で住友財閥から住友グループに変わる。

 

財閥解体 住友の財閥解体は三井・三菱に比べると軽微だったと言われている。まず、住友本社は林業や不動産などの事業を分離した上で解散、大きな事業も分割させられた。三菱・三井は商社が解体されたが、住友はされなかった。あとは総理時の古田がGHQと会談して自発的に早期の解体を決め、住友家にも決裁を得た。余計な混乱を避け、住友従業員20万人を守る必要があった。次に好色追放で経営陣がいなくなり一気に10歳若返ったが、優秀な人でも強制的にやめさせられ、いきなり社長になった。

 

 

また明日も紹介しますので、良かったらチェックしてみて下さい。

 

 

 

 

 

にほんブログ村 株ブログへ にほんブログ村 株ブログ サラリーマン投資家へ