今回は昨日の続きとなります。良かったらチェックしてみて下さい。

https://ameblo.jp/masatolevel3/entry-12841449174.html

 

PBR対策3本柱

  1. 「ROE、ROICといった収益目標」
  2. 「株主還元・財務戦略の具体策」
  3. 「事業ポートフォリオ見直しなどの成長戦略」

 株は美人コンテストであり、自分がこの人のことを美人だと思ってたとしても、みんなも美人と思うかなどうかを考えないといけません。みんなはこっちの方を投票するだろうと思ったら、そっちが上がると賭けなきゃいけないのと一緒で、だから市場に評価されなきゃいけない。その市場の割合を考えた時、売買金額で言えば6~7割が外国人ですので、その評価が必要、その中でも特にパワーを持っている米国人の投資家はファイナンス先進国なわけである。その人たちに評価されるようであれば、株価の改善もあると考えられます。

 

 これも企業によっていろんなカラーがあるとは思いますが、特に高度だなと感じた部分は、三菱UFJ信託銀行は「資本コスト」を、独自開発したモデル「資本コストGAPモデル」で出しているのがあります。先ほどのCAPMやWACCは一般的ですが、最新の研究を反映している企業もあるようです。


 

 他には、部門別のROICを開示する企業もあります。こういうのがあると明確な目標を立ててると思います。また、それに基づいた事業ポートフォリオの組み換えに生かすまでやると、3つの柱の中の③「事業ポートフォリオ見直しなどの成長戦略」にも関わってくるので、より抜本的な改革の具体的な発表として評価されるのと思います。

 

 そして②の部分「株主還元・財務戦略の具体策」というとこもありますが、この株主還元が変に誤解されている部分もあるんではないか感じました。というのも東証が要請したのは「短期的な自社株買をすることではない」ということ、非常に大事だと思います。

 

 株主価値と言われた時に単純に「増配」「自社株」が良いと、直接的にすぐそこに考えが行き当たるていのは根本的的な考えではないと思います。「持続的な成長を果たすための抜本的な取り組み」が根本的な部分で、もちろん「自社株」「増配」が悪いわけではなく、分析した結果「自社株外」「増配」が有効な手段と考えられる場合もあるのであればいいですが、それは一過性の対応になりがちなので、そうではないということです。

 

 この点に間関して、非常に共感したポイントをご紹介しますと「自社株買で失望する」というケースです。

 

「成長余力が大きいはずの新興企業が、短期的な株価対策として自社株外を発表するとがっかりします」

「自社株買をしても一時的な株価押し上げ効果しかないことを嘆く企業がありますが、Appleのように市場に予見可能性を持たせながら、継続的な自社株買を行えば評価されます」

 

ということです。「自社株買」「配当」それは株主への還元の形の1つでしかないということなんです。例えば新興企業は、そんな還元のされ方ではなくガンガン内部投資をして事業の成長・普及に投資して「将来的な株価の上昇で還元ししてくれたらいい」と思ってこのような企業を買ってるわけです。にも関わらず「自社株買」を発表されると「そんな還元の形ではないんだよ」とがっかりするのは非常に共感した部分です。

 

 まもちろ、悪いことばかりでもなく、企業が「自社株買」をするのは今の株価は市場では過小評価されているとことを分かってるサインになることもあるので、企業のフェーズ、規模にもよってくるとは思います。こういったがっかりする「自社株買」は、根拠が曖昧だったり、短絡的な対応としての自社株買なんじゃないかと思われるのも絡んでるのかなとは感じます。

 

 そういった資本コストの意識、それを意識したROE、ROICの収益目標なども企業それぞれで適切な形も色々あると思うし、株主還元・財務戦略の具体策も重要だし、その企業のフェーズによって還元の仕方も違うし、事業ポートフォリオの見直しといった長期の成長戦略、抜本的な対策をできているかも重要になってくるのかなと、この3つが市場に評価される3本柱というところで本書の中でも大事なポイントだと思ってご紹介させていただきました。

 

まとめ 繰り返しになりますが、投資家はももちろん、企業のIR担当、CFOの方も必見の一冊ではないかなと思いました。今回、紹介していませんが、業種別のPBR対策、さらにそれぞれの業種で、どういった対策をしてきて、どういった市場の評価をされているかが非常に細かく、幅広く書かれています。業種別での現状、対策の事例も色々あり、この辺りも勉強になります。

 

 「評価されるPBR対策」と「そうでないPBR対策」を見極めるポイントも本書全体を読んでいるうちに、投資家目線として感じる部分はあると思います。やはり、自分が良いと思っている、ROE、収益性は非常に素晴らしい、なのにPERが低い、だからPBRが低い、そういった企業はvalu投資の罠にはまりがちです。割安であることは確実だが、上がるきっかけがないという罠にはりがちなので、その「割安の罠を抜けれる企業なのかどうか」はvalu投資で持つべき目線だと思いますので、本書は非常に勉強になるはずだと思いました。興味のあえた方は是非読んでみてください。

 

 

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