今回は昨日の続きとなります。良かったらチェックしてみて下さい。

https://ameblo.jp/masatolevel3/entry-12838926325.html

 

戦後最大の企業犯罪へ 事件が起きたのは88年9月5日、リクルート事件の追求を行っていた社民連の楢崎議員が記者会見を行い、

 

「リクルートコスモスの社長、室長が現金500万円を持って私のところにやってきた。リクルート問題を調査している私への賄賂以外の何物でもなく、江副やコスモス社長を加えた3人を、東京地検特捜部に贈賄申し込みの疑いで告発する」

 

と語りました。このやりとりしていた密室の現場を楢崎氏と組んでいた日本テレビが隠し撮りしていて、それがニュースで放送されました。楢崎議員が譲渡名簿を出すようリクルートに迫っていて、幹部が対応に苦慮していた時に、危機管理を専門のリクルート社員が、

 

「楢崎氏の要請は金銭の要求だ」

 

それで常務が、

 

「お金を持って楢崎氏を訪ねていけ」

 

この衝撃的な映像で問題が再燃しました。この3日後、楢崎議員が江副たちを告発、国会は野党が事件を問題化して消費税審議を先延ばし、廃案へ追い込もうという動きが出ました。11日に朝日新聞が元労働省事務次官が未公開株譲渡され売却したと報じて、翌日には社会党と共産党が管財関係者9人の名前を発表、この中に宮沢本人やNTT役員などの名前がありました。翌日、野党の要求を拒めず入院中の江副に対して、参考人として病床で質問、江副は株譲渡先の公表を拒みました。世間では

 

 10月19日に東京地検特捜部によってリクルートや関連会社への強制捜査が行われました。11月に入ると元官房長官の名前が挙がりました。21日に衆議院で江副や元労働省事務次官などへの証人喚問が行われ、翌月9日に宮沢大蔵大臣が辞任しました。1988年12月27日に改造内閣が発足。しかし、同月30日に法務大臣がリクルートから献金を受けていたことが発覚して辞任。組閣して1ヶ月足らずで閣僚がもう一人辞任しました。翌年2月13日に江副やファーストファイナンス副社長、NTTの元取締役が地検特捜部に逮捕されました。3月にはNTTの前会長や前労働事務次官が逮捕。竹下内閣の支持率が1月中旬は33.4%だったのが、3月初旬には12.6%まで急降下。不支持率は81.9%。これは政治不信に加え、消費税導入もあったからです。

 

 この不振を払拭するために4月11日に竹下首相はリクルート関連の政治献金額を公表しました。結果、支持率3.9%、不支持率87.6%と史上最低を更新しました。さらに朝日新聞が

 

「竹下首相、公表とは別に秘書名義でリクルート社から5000万円を借り入れしていた」

 

この報道の3日後に竹下首相は退陣の表明しました。翌日に竹下首相の秘書が自殺しました。この事件で自民党で主力だったニューリーダーやネオニューリーダーの多くが謹慎状態になりました。

 

 それで、リクルートと関係がなく竹下に都合がよくサミットが近いという理由で選ばれたと言われているのが宇野首相。しかし、首相就任3日目で女性スキャンダルが表面化。当時、日本のマスコミは無視してましが、海外のメディアで話題になり日本に逆輸入されました。それでついたあだ名が「宇野ピンクザウルス総理」この後の参院選で自民党が結党以来初の過半数割れとなり、宇野首相は退陣、55年体制が終焉を迎えました。未公開株の譲渡がここまでの影響を及しましが、未公開株の譲渡はそんなに問題なのか、問題をもう少し掘り下げます。

 

4つのルート まず前提として、未公開株の譲渡はそこまでの違法性はなく、当時は特段珍しいものではありませんでした。初めて上場するときに付き合いのある人や社会的に信用のある人々に公開株を持ってもらうのは常識だったようです。あまり法律的なことは言えませんが、これに見返り的なもので賄賂がないと犯罪にはなりにくいです。なので、多くの大物政治家の立件は難しく、略式起訴で終わりました。このリクルート事件には大きく4つのルートがありました。

 

 最初に政治家ルート、安比高原の開発や国家公務員の上級試験の合格者の発表を繰り下げるよう便宜を図ったと検察はにらみました。公務員試験の日程は、当時の協定で企業の選考開始は11月で、公務員試験の発表が10月15日でした。公務員試験の方が速く、国家公務員になる方を選んでしまいます。それでは企業は困るため江副が動きました。これが政治家ルート。

 

 次に文部省ルート。進路指導専門誌のキャリアガイダンスなどを関係者に配布していて、文部省の方にも原稿を書いてもらってます。その中で問題になったのが専修学校へ進学を希望する、高校生向けの進学情報誌でした。専修学校とは、職業人を育成するための実践重視の学校のこと。学校が生徒から進路希望と氏名・住所を聞いて、専修学校を希望した生徒に対してリクルートが情報誌を送るというスタイルです。この事業はリクルートがシェア8割を握ってますが、多くの問題があると指摘されていたらしいです。何が問題かというと、

 

「取れない資格を記載している」

「就職や資格試験合格実績を誇大表示している」

「無認可校をあたかも認可校のように扱っている」

「政との水増し募集もそのまま掲載している」

 

他にも、私企業のために高校生のリストづくりをするのはどうなのか?という批判もあったようです。これを問題にされる前にリクルートは文部省に圧力をかけて対応措置を取らないようにして、その見返りに接待や株式の譲渡を行ったというのが検察の見解です。

 

 似たようなもので労働省ルートがあって、就職情報誌発行の行政指導に対して、リクルートが有利になるように取り計らいました。それで事務次官や課長が逮捕されてます。

 

 次にNTTルート。リクルートは回線リセール事業でNTTとの協力が必要でしたが、NTTはこの高速デジタル回線への申し込みが逼迫して時間がかかっていたようです。しかも、電気通信事業の技術的ノウハウがありませんでした。それでリクルートはNTTの人に対して株式を譲渡しました。あと、スーパーコンピューターの時間貸し、この事業をやるにはスパコンが必要になります。スパコンを購入するにあたりNTTを通して、クレイ社から購入していました。検察はこれらの容疑を調査して、固めて結果、江副たちを有罪判決に持って行くことができました。

 

また明日も紹介しますので、良かったらチェックしてみて下さい。

 

 

 

 

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