本書の概要 今回は山田知生先生が書かれた『スタンフォード式 疲れない体』について紹介します。本書はタイトルの通り「疲れない体」「回復しやすい体」になるための情報を、世界最強のスポーツ大学、スタンフォード大学でトレーナーをしている山田先生が記してくれた良書です。労働時間が長かったり、日々緊張感がある仕事をされていたり、週末に一日二日休んだところで疲れが取れずに働きに出る、という方も多いんじゃないでしょうか。そんな身も心も使う果ててしまっている方にこそ本書がおすすめです。

 

 著者の山田先生は約20年間、トップアスリートの疲れを研究してきた方です。疲れによるパフォーマンスの低下が人生を左右してしまうような、そんなトップアスリートの疲れにシビアに向かい続けてきた山田先生だからこそたどり着いた貴重な知識が詰め込まれているわけですので、有益な情報だと思います。早速ですが、本書の結論は

 

「疲れない体になるためにはIAP呼吸法というお腹を膨らませたまま行う呼吸法を、最低でも1日1回はやりましょう」

 

これが結論なんですが、これだけ聞いただけでは分からないと思いますので、ここから3つをお伝えします。

  1. 疲れとかだるさの原因は?
  2. 疲れから回復する呼吸法IAP呼吸法のやり方
  3. IAP呼吸法以外で手軽に取り組める回復方法

疲れとだるさの原因は? 疲れは、ざっくり言いうと「筋肉の疲れ」筋肉が疲れてしまっている状態と「神経の疲れ」神経が疲れてしまっている状態の2種類に分けられます。多くの方は「筋肉の疲れ」をイメージしてしますが、今回は「神経の疲れ」について重点的にお話します。

 

 サラリーマンは、毎日筋肉を使って動き回って働いてるわけではありません。サラリーマンにおいては筋肉というより、神経の疲れで苦しんでるケースが多いと思います。にもかかわらず「筋肉の疲れ」に比べて「神経の疲れ」に対する対策、対処法を知っている方が少なく、もちろん本書でも神経の疲れの方の対処法がメインテーマとして書かれています。

 

 これは言うまでもないことかもしれませんが「神経」とはめちゃくちゃ大事です。特に中枢神経と呼ばれる、体の動きをコントロールする神経がが大事です。この中枢神経がダメになってしまうと体をうまく動かせなくなります。中枢神経が出している指令が、腕とか足とか指先にうまく伝わらなく、自分の思った通りの動きができない、これが「身体がだるい」という状態です。体がうまく動かないと人間は「だるい」という感覚に苦しむことになります。この中枢神経がダメになってしまうと、筋肉がどんなに元気だろうと、日中にぼーっとしたり、身体全体がだるいという、ビジネスマンとしてあってはならない状況に陥ってしまいます。

 

 なぜ、その神経の疲れというものが生まれてしまうのか?本書曰く、その原因は「体の歪み」です。この「身体の歪み」は中枢神経を疲れさせてしまいます。ヒールを履いたり、猫背だったり、変な姿勢になって体が歪んでしまうと、中枢神経が弱ってしまい、中枢神経の指示が体全体にうまく伝わらなくなります。そうやって体が歪んでいる人は、ちょっとした動きをするだけでも姿勢が良い人より中枢神経が疲れていきます。それでも体が歪んだまま動き続けると、身体はさらに歪み、さらに中枢神経が疲れる、という負のスパイラルに陥ってしまいます。

 

 ちなみに中枢神経に影響を与えるくらい体に歪みがある人は、腰痛になることが多いみたいです。腰の痛みは身体、神経が疲れているという、非常にわかりやすいサインですので、ぜひ一つの知識として覚えておいてください。

 

疲れから回復する呼吸法IAP呼吸法のやり方 その疲れの原因である「体の歪み」を治す方法は「IAP呼吸法」お腹を膨らませたまま行う呼吸法です。IAPとは「Intra Abdominal Pressure」の略で、腹圧・お腹の圧力という意味です。お腹をパンパンに膨らませる、本書の言葉を使うと「腹圧」を高めると、体の中心と言われる体幹、脊柱が本来あるべき位置に収まってくれるということです。「腹圧」によって「体の歪み」が正された状態に戻るということです。

 

 具体的にIAP呼吸法はどうやるのか?ですが、詳しくは本書を是非読んで頂きたいのですが、ざっくりで説明しますと、まずファーストステップとして姿勢よく、リラックスした状態で椅子に座ってください。それで、5秒かけて鼻から目一杯息を吸い込んでください。この時、自然とお腹は膨らむはずです。それは、腹圧お腹の圧力が高まっている状態です。ここからが大事で、これから息を吐くわけですが、息を吐くときにお腹がへっこみますが、ここでお腹に力を入れてお腹をへこませないように、お腹をパンパンに膨らませた状態を維持しながら5~7秒くらいかけてゆっくりと息を吐きます。全部息を吐ききったら、お腹の力を緩めて、一連の流れは終わりです。この一連の流れを5回繰り返すのがIAP呼吸法という「身体の歪み」を調整する方法です。

 

 最低でも1日1回、おすすめは眠る前、IAP呼吸法をやる時間を設けましょう、ということが本書で推奨されています。このIAP呼吸法をやったらどんないいことがあるか?腹圧が高まって、体の中にあるそれぞれのパーツがあるべきベストポジションに戻って、中枢神経からスムーズに体全体に指令が行くようになり、結果的に体のパフォーマンスが改善され、疲れにくくなる効果があります。ぜひ実際にやってみて、なんとなく身体の中心が整うような感覚が分かってもらえると思います。

 

 IAP呼吸法の注意点ですが「腹式呼吸」と間違いやすい点です。IAP呼吸法は「腹式呼吸」と全く別物、腹式呼吸は息を吐くときに「お腹をへこませる」呼吸法なので、ずっとお腹を膨らませるIAP呼吸法とは別物で、真逆の行為です。さらに言うと、著者の山田先生は「腹式呼吸」をお勧めしてません。「腹式呼吸」がポジティブなイメージがあるのは、1990年代頃に健康に良いらしいと流行ってたことがあるからのようです。山田先生は「今まで腹式呼吸をお勧めしたことはないし、スタンフォード大学に所属するトレーナーの中でも腹式呼吸を推奨している人なんて見たことがない」と本書で語られています。

 

IAP呼吸法以外で手軽に取り組める回復方法 このIAP呼吸法は、習慣化して「疲れない体をキープする」予防法という意味合いが強いですが「もうすでにに疲れてる」いう方もいらると思います。もう既に存在してしまっている疲れにはどう対処すればいいかもお伝えさせていただきます。結論としては、休憩するのではなく、20分走る、泳ぐなど「軽い有酸素運動をしましょう」が本書で語られる疲れを持ち越さない究極の回復方法です。

 

 まず前提として「じっと座って休憩していること」は疲れに対する根本的解決にならないということを知っておいてください。「座ってじっとしていること」が逆に神経の疲れに繋がってしまいます。世界的研究者であるアンダース・ハンセン先生も「人間は原始時代から動き続けてきた生き物」なので、体が動き続けるための構造になってる、動き続ける方が人間本来の姿に近いと語られています。となると、夜遅くまで働き、めちゃくちゃ疲れた時は、デスクワークだけして全く体を動かせてないのも疲れの大きな要因の一つだとお分かりいただけると思います。遅くまで働いた日は「疲れてもう何もしたくない」と思うかもしれませんが、そこをどうにか頑張って20分だけ走るだけで明日の疲れが和らぎます。軽い有酸素運動をすることで「体の歪み」が取れて、血流が活発になり、体の中に溜まった疲労物質を流してくれるわけです。とにかく疲れたときは、じっと休憩するのではなく、本書の言葉で「動的回復法」動いて回復する方法があることを覚えておいてください。

 

まとめ 補足ですが、なんだかんだ「睡眠」も大事です。話本書でも10ページくらい使って睡眠の重要性が語られています。その睡眠についてですが、以前に「スタンフォード式最高の睡眠」を取り上げていますので、良かったらチェックしてみて下さい。また、3つ目のポイントとして触れた軽い有酸素運動で回復する話も、その有酸素運動の前後に「こういうことをやった方がいい」みたいな補足情報がいろいろと書かれています。

↓「スタンフォード式最高の睡眠」

https://ameblo.jp/masatolevel3/entry-12837531784.html

 

 

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