今回は、スタンフォード大学医学部の教授、西野誠治さんが書かれた『スタンフォード式 最高の睡眠』について紹介します。まず、なぜ睡眠に関する本を取り上げるのかというと、それは仕事のパフォーマンスを上げるうえ、幸せな人生を歩む上で睡眠はものすごく大事だからです。人間は基本的に1日の3分の1は寝てる生き物、人生全体の3分の1は睡眠なわけです。「睡眠に人生の3分の1も使っちるなんてもったい」と思われるかもしれませんが、それは大きな勘違い。睡眠は「そのくらいの時間を絶対投資すべき」というほどメリットがすごい。

 

 睡眠は「頭の中の記憶を整理してくれる」「免疫力を高めてくれる」「アンチエイジングの効果もある」とメリット満載、ただそんなに大事なものなのに、多くの人は睡眠について勉強する機会がありまえん。だから世間は睡眠についての誤解であふれています。

 

 今回は睡眠について1963年から約50年以上もかけて研究している、世界最高峰をスタンフォード大学の研究をもとに、睡眠についての大事なポイントを紹介させていただきますが、もう最初に結論を伝えますと、

 

「睡眠は寝始めの最初の90分が大事」

 

本書には「90分の黄金法則」と書かれていますが、人間の眠りは最初の90分が一番深い眠りなんです。この深い眠りこそ、脳も体も回復させてくれるので、ここの睡眠の質を一番大事にしなさい、そこが睡眠の本質だ、と本書では語られています。その最初の90分の睡眠の質を、黄金の90分にするための具体的な方法を紹介します。

 

寝る前の行動 結論ですが、今日から最高の睡眠を手に入れたいという方は「寝る90分前にお風呂に入る」をやってください。

 

 なぜ「寝る90分前のお風呂」がいいのか、まず人間は「深部体温」と「皮膚温度」の2つの体温があります。深部体温は深い部分の体温という字面の通り、筋肉、臓器、体の内側の温度のことで、「皮膚温度」は言葉の通り皮膚の温度のことです。人間が心地よい深い眠りにつけるのは「深部体温」の方がぐっと下がった時です。だから「深部体温」を下げてあげたいわけですが、それは「お風呂に入る」のが有効です。

 

 「お風呂に入ったら深部体温が上がりそう」と思われるかも知れませんが、実はお風呂に入ると一時的に「深部体温」はぐっと上がってしまいます。ただ、人間の体は「ホメオスタシス」といって、何か大きな変化があると、その後元の状態に戻ろうとする性質があります。お風呂に入り、一時的に深部体温をグッと上げて、ホメオスタシスによって上がった分以上に大きく落とす。よく「湯冷めする」と言いますが、つまりその「湯冷め」を利用して「深い眠りに入る」わけです。

 

 お風呂で上昇した深部体温がホメオスタシスで下がってくるのに大体90分かかります。だから、寝る90分前にお風呂に入ると心地よい眠りにつけるんです。ちなみに、深部体温は手足、頭など体の末端から逃げていきます。体の末端、皮膚温度が上がって、その後、深部体温が下がるという仕組みです。なので、眠くなる前は手、足があったかくなります。それは、深部体温が手足を伝って逃げている証拠です。なので、靴下履いて寝るのはダメで、冷え性の人とかで足が冷えていても、なんとなく足があったまっていざ眠りにつくタイミングになったら脱いだ方がいいんです。靴下を履いていると熱が逃げ場を失い、深部体温が下がりにくくなり睡眠の質が悪くなるからです。

 

 「風呂じゃなくてシャワー派」という方もいると思いますが、それはそれでOKです。その場合はお風呂ほど深部体温が上がらないので、寝る90分前じゃなく、30分や1時間前に調整してください。要は、寝るそのタイミングに「深部体温がちょうど下がるようにコントロールすること」これがスタンフォード式最高の睡眠の実践方法です。

 

最後に 最後に少し補足ですが「結局何時間寝ればいいの」という話です。結論「7時間ぐらい、最低でも6時間くらいは寝ておきたい」と本書には書かれています。ただし、個人差あり、たまにショートスリーパーみたいなに「寝なくても大丈夫」という人も、本書曰くありえるみたいです。注意点として、ショートスリーパーは遺伝的要因が強いみたいで、3時間ぐらいしか寝なくても回復する人は存在しますが、何かトレーニングをしてショートスリーパーになれるような話ではありません。「ショートスリーパーになる方法」みたいなものがありますが、そういうものではないと本書には書かれています。

 

 あと、「夜の10時から深夜2時がゴールデンタイムだからそこの時間帯で寝とけばOK」という話、これも勘違いがあって、大事なのは「毎日同じ時間に寝ること」です。つまり、10時に寝ること自体に特別な効果があるわけではなく、毎日同じ時間に寝ることが大事、習慣化して体にタイミングを覚え込ませると、最初の90分の眠りが深くなり睡眠の質が高まるということです。

 

 例えば、大事な勝負がある前日は早く寝ようとしますが、実は逆効果「いつもと同じ時間に寝ること」「最低でも6時間を寝ること」を守ることが大事です。時間を安定的にコントロールすることも、深部体温をコントロールすることと同じくらい大事ですので、実践して人生の1/3である睡眠を最高のものにして、3分の2の人生も最高のものにしていただければと思います。

 

 

 

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