今回は昨日の続きとなります。良かったらチェックしてみて下さい。

https://ameblo.jp/masatolevel3/entry-12836722822.html

 

不正をした理由 今回、この原因に関してダイハツは

 

「経営陣に責任があります」

 

と謝罪。具体的にダイハツ社内でアンケートを取った結果ベスト3がこちら。

  • 人員不足
  • 公表された発売時期や開発日程遵守(延期不可)のプレッシャー
  • 開発スケジュールが過度にタイトになる傾向

 開発期間関連が多く、ダイハツの強さは短期開発でそれが存在意義までになりました。つまり、短期開発ができなければダイハツの強みはない、それで過度なタイトな硬直的なスケジュールが組まれるようになり、各工程が全て問題なく進むという前提で余裕のないスケジュールが組まれます。

 

 大概トラブルとか巻き戻し等が起こり、実際にデザインに時間がかかることが多くなったそうです。その結局、認証試験にしわ寄せが来ることが多くなりました。試験をパスできなかった場合は、

 

「認証試験は合格して当たり前、不合格となって開発販売スケジュールを変更するなどということはありえない」

 

という考えが強い上にコスト削減の観点で利用できる試験車両の数に限りがあって担当者は、

 

「絶対に合格しなければならない、不合格は許されない」

 

という、一発勝負の強烈なプレッシャーにさらされるようになりました。普通は担当部分以外はそこまで責任持つ必要がありませんが、多分日本人は帰属意識が高く、無駄にプレッシャーになったのかもしれません。

 

他にはこんな意見も、

 

「ミスが許されないし、海外開発のプロジェクトが増え、未熟な現地開発者をフォローしてなんとか乗り切っている。しかし、それが標準化し、縦割で問題が起これば、その責任部署が吊しあげる風土」

 

まさに、日本企業によくある特徴。

 

「トヨタの子会社化で新興国向けの車両を任せられるが、その人的リソースや試験失敗の車両がない。トヨタの期待に答えるため、ダイハツの身のたに合わない開発をリスクを考えずに押し進めたのが要因だと思う」

 

と、人、お金、時間はないが、この課題をクリアしろと。

 

いつからこの傾向が生まれたかというと2005年頃と言われています。その当時、トヨタ出身の白水会長が就任、それまで儲かっていなかった軽自動車の事業構造改革に着手。それで短期開発で成功したのがミライース。これでスズキに勝ち続けました。

 

 短期開発が加速化し、どんどんと短くなった上、トヨタの件も含めて新機種やモデルチェンジで開発車種が増加。一方で東日本大震災があった2011年頃からダイハツ本社で人員削減が行われており、本社の人員が削減され特に法規認証室の人員はピーク時の2009年頃と比較して半分以下、安全性能担当部署の人員数はピークの3割程度。それに伴い、人員削減後不正行為が多くなる結果となりました。

 

 

 基本的に開発スケジュールは絶対視され、役員レベルの認識では経営トップレベルの判断が必要で、判断したら英断と呼ばれるぐらいすごいことらしいです。上司、わゆる管理職クラスは現場に任せてようで、スケジュールが厳しければ上司に相談する必要がありますが、こんなやり取りだったようです。

 

上司「なんでも相談してくれ」

部下「すいません。スケジュールが厳しいです」

上司「なぜ間に合わないの?どうしたら間に合わせられる?今後どうするの?」

 

それで問題を報告すると、

 

上司「なんでそんな失敗したの?どうするんだ?間に合うのか?」

 

と詰めてきます。そもそも開発スケジュールの延長や人員補充という答えが最初から除外されてて、それ以外の解決方法を求められます。できないと言えば、それらの人たちだけが別途報告が必要でした。上司に相談しても解決策を教えてくれるわけではなく、予算も時間も与えられず、手間だけ増える、相談するだけ無駄。

 

 そもそも上司が認証実務や現場の状況に精通してなかったらしく、組織をフラット化して役職ポストを減らしすぎ、管理者の検務が増え1人当たりの管理範囲が大きくなりすぎて管理者も多忙だったようです。結局、現場がなんとかするしかなかったようです。その結果が不正に行きついたということです。

 

 さらに衝突安全試験の領域は職場環境がブラックボックス化して、不正やごまかしが分かりにくかったようです。認証申請の書類は厳密にチェックされるものではなく、各担当者で確認するしかなく、改竄しようとすればできた状況だったようです。そもそも担当者が法規を十分に理解してなく、過去のグレーなやり方、現場でやっていたのを引き継いだだけだったようです。

 

 委員会がヒアリングしたら、

 

「認証法規に関す研修を受けたことはなかった」

「担当者になって正解が分からない中、資料作成だけして、本当に正しく業務をやっているのか分からないまま進んでる」

 

複雑で専門性が高く、明文化されてない事項もあり、属人化になっていました。また、だんだん短期開発が神聖化され優先度が高くなり、不正が増加してコンプライアンス意識が希薄化していきました。

 

また明日も紹介しますので、良かったらチェックしてみて下さい。

 

 

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