前回まで仮想通貨の仕組み、あとはマウントゴックス事件について紹介しました。結果、色んな人が懲りたと思いきや、この乱高下が人々の心を魅了しました。

https://ameblo.jp/masatolevel3/entry-12828966193.html

https://ameblo.jp/masatolevel3/entry-12828966725.html

 

広がる仮想通貨と億り人 マウントゴックスの事件前後では仮想通貨は一般的なものではありませんでした。新しい技術での挑戦という要素が大きく、ギーク(熱中的な人)が興味を持って手に入れるというものでした。それがだんだんと注目を浴び、一部のネット企業も使えるようになり、通貨として見られるようになります。ネットがあればどこでも使え、送金手数料も安い。さらに管理者がいなく、銀行を介さない仕組みで誰でも利用できます。これで利用しようとするのは誰か?自由にやりとりできるお金を好む人、地下組織の人間。

 

 実際、2013年10月にネット上で違法ドラッグを取引する闇サイトがFBIに摘発され、そこでビットコインが利用されてました。さらにキプロス危機が起きて退避先としてビットコインが選ばれました。このころから投機商品としての色合いが濃くなりました。2013年1月では1ビットコインあたり2000円で取引されてたのが年末には12万円に高騰。中国で人気が高まり、中国の大手取引所のビットコインチャイナの取引量は全世界の3分の1でした。

 

 この動きが日本にもやって、来てマスコミも騒ぎ始め、2013年12月にNHKで特集されました。当時の映像では、交換所を経由せず店で直接現金を渡して購入してました。映像に出てきた人々は仮想通貨の技術ではなく、高騰するビットコインの値動きに注目してました。インタビューではこう答えてます。

 

「夢の世界みたいで喜んでる状態」

「ビットコインはガンガン買います」

 

このようなアメリカ人夫婦も紹介しました。

 

「ドルが信用できないからビットコインで生活する」

 

当時のアメリカでは生活できるぐらい浸透してきていました。

 

 しかし放送翌日中国で「ビットコインの取引を禁止」を発表。人民元は国外送金を制限しており、ビットコインが抜け穴になるのを恐れてたみたいです。元は信用力が高くなため、ビットコインが代わりになるのが嫌だった背景もありました。これで世界の4割を占めていた中国市場が消えビットコインが急落。さらにマウントゴックス事件。

 

 マウントゴックスが閉鎖した2014年2月24日の終値は1万8000円。バブルがはじけたのですが、ビットコイン下落は続きませんでした。ビットコイン価格は2万円から6万円のレンジで推移するようになり、この頃から多くの交換所などの仮想通貨関連サービスが国内で始まりました。

 

 2014年4月にはザイフ、5月にビットフライヤー、9月にコインチェックなどが立ち上がりました。さらに、アメリカのDELLや マイクロソフト、ゲームのスチーム、国内でもDMMなどがビットコイン決済の受付を開始してます。取引所へのハッキングで被害を受けることはしばしばありましたが、そんなの関係ねいと言わんばかりにビットコインの値段は上昇。21017年1月にビットコインはマウントゴックスの時の値段を超えて一時期15万円の値がつきました。さらにその年の4月に改正資金決済法が施行され、仮想通貨について法的根拠が与えられました。これは他の先進国より早かったため、日本は仮想通貨先進国と呼ばれるようになりました。

 

 これで日本でビットコインは大人気に、2017年12月8日、ビットコインの価格は一時20倍近く高騰、194万円を突破しました。他の仮想通貨も暴騰し、年初1000円くらいだったイーサリアムは1年で18万に。リップルは0.7円だったのが51円に上がってます。このとき日本のテレビで仮想通貨で儲けた”お姉ちゃん”が現れ、

 

「寝ているだけで朝起きたらお金が毎日増えている」

 

 当時は株価も好調で、こういう運輸で資産を1億以上増やした人を映画のタイトルになぞらえて「億り人」と呼ばれました。当時はリップラーとかイーサーという推し通貨を宣言する言葉や、価格が急上昇するという意味でムーンという言葉が生まれました。ちなみに破綻、終了という意味でマウントゴックスにちなんでゴックスするという言葉があります。しかし、ビットコインは1番の高値で230万まで高騰しましたが、すぐに弾けました。

 

狂乱の仮想通貨 ビットコインの価格は12月17日の終値で一時2万ドル、日本円で220万円を突破しました。さらに、世界最大規模の先物取引所であるアメリカ・シカゴでビットコインの先物がスタート。しかし、その後価格が急落、12月23日には一時期123万円に値を下げました。この原因ははっきりしてませんが、利益確定売りあハードフォークが原因など色々と言われています。ぶっちゃけ、バブルのはじける理由なんて分からないことが多くある日突然「これ高すぎ」と、売りが始まりバブルに群がった素人が狼狽売りを引き起こします。

 

 年が明けても値下がりの動きが激しく、1月18日には一時期102万円まで下がりました。この時、韓国の若者に注目が集まりました。韓国では若者の雇用問題を抱えていて、一部の若者は一発逆転を狙って仮想通貨に向かいました。その結果、多くの若者は爆死、怒りのコメントや様子などがコミュニティサイトに投稿されてます。

 

「45%を失ってモニターを粉々にした」

「ノートパソコンを投げ捨てて、少し落ち着いてから開いてみると壊れていた」

「イライラを発散するために浴室へ行ったらバスタブを破壊してしまった、明日からシャワーどうしよう」

「気分が悪くなって顔を洗いに行ったら洗面台を壊した」

 

この仮想通貨界隈が混乱した中で大きな事「コインチェックの仮想通貨流出事件」が起きました。

 

コインチェック事件 コインチェックはレジュプレスという企業が立ち上げてます。レジュプレスは和田浩一郎などが大学時代に立ち上げ、ストーリー投稿サイト、story.jp を開発。ビリギャルなどのヒット作を含めて10作品が書籍化されて事業の立ち上げに成功しました。その後、仮想通貨事業に転換し2014年10月にコインチェックを始めました。

 

 当時、マウントゴックスの破綻があって和田は

 

「大企業は算入できない領域、スタートアップからすると逆にチャンス」

「サービス始めてからユーザーを集めれば株主の納得するだろう」

 

先行してた「ビットフライヤー」に負けていた状況でしたが、仮想通貨の高騰とともにユーザー数が激増。1年で10倍になり、2017年12月より大人気タレント出川哲朗を起用したCMも流しました。仮想通貨の高騰の他、伸びた要因は二つ、「使いやすさ」と「取り扱う仮想通貨の多さ」です。ビットコイン以外の仮想通貨をアルトコインと言いますが、元々安く、一発逆転要素が高いアルトコインの取り扱い数を増やした結果、ユーザー増加につながりました。

 

 その流出事件での流出額が5.2億ネム、当時のレートでマウントゴックスより多い約580億円でした。経緯は、2018年1月26日の0時から8時の間にクラッキングでネムが外部に送金され、移転されました。その異常に気づいたのが11時25分、残高が異常に減っているということを検知、ほぼ全部吸い取られた後でした。その後11時58分にネムの取引を一時停止しました。その後16時33分にすべての取扱通貨の出金を一時停止、17時23分にオルトコインの売買を一時停止、その後入金も一部停止してます。

 

 午後からは本社に顧客や報道陣、見物人や警察がごった返しという状況になりました。23時39分に記者会見を実施、和田とCOOの経営陣らが出席し、マスコミから厳しい質問を受けました。この時、経営陣の回答は

 

「検討中」

「株主と相談します」

 

という回答が多く、登録者数の公表さえ株主と協議しなければならないようでしたか。また、ネムを全部ホットウォレットに保管していたことが分かりました。保管方法として、仮想通貨をオンライン上に保管するのがホットウォレットで、オフラインでの保管がコールドウォレットになります。ネットから切り離せば泥棒が盗むしか手段がなくなります。ただ、技術的にネムのコールドウォレットが難しかったようです。

 

 またCMをバンバンやっており、セキュリティーが疎かになっていたのではないかなど指摘されてます。他にも、当時コインチェックは仮想通貨交換業者に登録されていない、みなし業者の状態でした。翌日、コインチェックはネムの損失分を補償することを発表、総額463億円です。ちなみにこの会社の資本金は9200万円でした。その後、コインチェックは関東財務局より業務改善命令が出されましたが、ネムの保証460億円3月で完了しました。そのカラクリは、単純に営業利益が537億円で、それを原資に払ったようです。

 

 2017年7月の取扱高は280068億円、12月には3.8兆円と急拡大していて利益がやばかったみたいです。そしてコインチェックはマネックスグループに入ることになりました。コインチチェックは業績が急拡大して体制が追いついてなかったのが根本原因だったと思います。この後の仮想通貨の価格は低迷の時期を迎えます。

 

また明日も紹介しますので、良かったらチェックしてみて下さい。

 

 

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