伏見稲荷大社は千本鳥居が有名であり、多くの観光客が訪れる京都の古刹として有名なポイントではないでしょうか。
我が家でも、伏見稲荷の山めぐりは何度か行っていますが、常々疑問に思っていることがあります。
それは、千本鳥居は本当に1000本なのかということです。
通常、1000本といった単位を語るときは、たくさんあるという表現が多いので、実際は800本から1300本くらいの間だと想定できます。

家族会議中に、その話題を出してみました。そうすれば、わからないことは調べてみようという事になりました。
ただやみくもに挑戦しても、それだけの数を正確に数える自信がありません。
そこで、100均でカウンターを2個購入しました。何故2個なのかというと、二人で計測して、数え間違いが無いかのチェック用です。
カウンターとは、カチカチ音を立てながら数を数えていく計測機械であり、コンサート会場なんかで、よく入場者数を数えているのを見たことがあります。

ここまではいいのですが、なかなか実現する事が出来ずに、二年がたってしまいました。
そして、いざ測りに行っても、コロナ騒動でまとめる時間がなく、ブログを書くのが今になってしまいました。


それでは、伏見稲荷大社の鳥居の数を数えるプロジェクトをスタート。

鳥居の数を数えるといっても、いろいろなルール作りが必要です。そこで、ルールをまとめてみました。

・鳥居は、朱色に塗られた木製と、石造りの二種類とする

 明神系と神明系も大きさに関わらず同数とする

 



・竹造りの簡易なタイプは、数量から除く

・自分が通り抜けることが可能な鳥居だけとし、通り抜けることができない小さなタイプは除く
 (高さが50cm程度の小さな鳥居が、末社を中心に多数設置されています)

・本通りから横にそれた末社の鳥居ですが、伏見稲荷大社の敷地内や関係末社は数に含めます
 (当神社は、伏見稲荷と関係ありませんと明記された場所や不明な場所は除く)


①楼門から本殿(計5本)
最初に、楼門から本殿にかけてを測ります。もちろん、このあたりはカウンターも不要です。ゆっくりと歩きながら雄大な鳥居を楽しみます。



②千本鳥居の1列タイプ(計77本)
千本鳥居がスタートです。多くの観光客が写真を撮影しているので、なかなか自分の番が回ってきません。



③千本鳥居の2列タイプ(左394本、右392本)
千本鳥居は、途中から二股にわかれます。それから先は、比較的小さめの鳥居が密着して連続していました。
これを数えるのは至難の業でした。いくらカウンターを使用しても、途中でわけがわからなくなりました。
また、到着して二つのカウンターを突き合わせても誤差が酷いです。
結局、2往復したら二つのカウンター値が一致したので、それを正解としました。いやはや、二人で測りに来てよかったです。


ほぼ隙間なく設置されている鳥居。



あまりにも激しい動きなので、カウンターが壊れないか心配しました(笑)



④奥社奉拝所から先(計543本)
二股にわかれた千本鳥居は、奥社奉拝所で一緒になり、以降は一列タイプとなります。
これから先は、比較的大きな鳥居が連続し、かつピッチも広がったので測りやすくなりました。軽快に階段を上がりながら測定します。
新池の手前は道からそれた末社が多くあります。それらは、みごとに苔で彩色されていました。苔ファンには刺激的な場所ではないでしょうか。

 

ひたすら数えるのも風情がありません。時々休憩がてら、鳥居から外に出て、鳥居の側面も楽しみます。

 

 

末社ですが、それぞれ個性があって楽しめます。苔マニアには、たまらない雰囲気の場所が多いですね。

 


⑤新池から先(計303本)
新池と呼ばれる風光明媚な池があらわれます。階段をひたすら上って汗をかいた体が癒されます。


これから先は、観光客が減ってきた気がします。カウンターの計測も完璧にマスターしたので、着実にカチカチ音を響かせながら進みます。



⑥三ツ辻から先(計235本)
三ツ辻で、本殿へと戻るルートと、山頂へ向かうルートに分かれます。
この時点で、結構疲れていますが鳥居を全数測る為にも、もうひと踏ん張りする事にします。



⑦四ツ辻から御幸奉拝所(計45本)
四ツ辻からは3方向へ道がわかれます。とりあえず、単独ルートである御幸奉拝所へ階段を上り、参拝後に引き返します。

 

 

⑧四ツ辻から山頂経由で一周
四ツ辻からは、山頂を経由してぐるっと一周回ることができます。単調な一本道ですが、なかなかハードな階段が連続していました。
さすがにこの辺りは観光客も少なく、ノンビリと計測する事が可能です。
四ツ辻からは、時計回りに山頂ルートを回った方が正式ルートの気がします。
四ツ辻→御膳谷奉拝所→一ノ峰→二ノ峰→三ノ峰→四ツ辻と見て回ることができました。



⑨四ツ辻から下山
四ツ辻から三ツ辻までは、往路と一緒の道となります。それから先は、伏見稲荷大社の外周を歩くイメージで本殿まで下ります。
途中は、いろいろな末社や、他のお寺などがあり、なかなか面白いです。特殊な鳥居としては、竹造りの鳥居などもありました。
また、鳥居の上部が切断された、超レアな鳥居もありました。だだ、それらは鳥居としては計上していません。



⑩本殿
本殿まで降り切ったところで、すべての鳥居を計算する事にします。その結果は、以下になります。

伏見稲荷大社の鳥居は、全山で

3382本でした。

 

せっかくなので、内訳も示します(笑)

 

 

いやあ、達成感がありました。

ちなみに、このような事をして何の役に立つのでしょうか?

 

日本のお家芸であるモノづくりの基本は、興味を持って自分で調べたり、自分で何か行動を起こすことだと思います。子供が千本鳥居の言葉に引っかかったら、それを自分達で調べたり測ることが、すべてのモノづくりに繋がるような気がするのです。

まあ、個人の考えなんですけど。