日本一短い川である、和歌山県那智勝浦町にある「ぶつぶつ川」。その延長は13.5mであり法で指定された河川としては最も短い。

その河川を夏休みの宿題として、徹底的に調査してみよう。
 
「ぶつぶつ川」は、粉白川の支流である。正面の石垣部分が河川の合流点。左側が粉白川。右側が、その粉白川に流れ込む支流である「ぶつぶつ川」だ。
 
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「ぶつぶつ川」を上流から眺めてみる。
 
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まずは、本当に13.5mの延長なのか。上流から最下流までを歩測で計測。たしかに、粉白川にぶつかる部分まで13.5mで間違いない。(1歩を1mで計測したが、その全体の誤差は±10cm程度に収まるまで自信あり)
続いて、河川に流れ込む流域面積。右岸側はブロック積みなので、除外したとして、左岸側は幅20m程度。よって、13.5m✕20m=270平方メートル。
もしかしたら、この流域面積は日本最小面積ではないだろうか。ネットで調べても、日本最大のランキングはあるが、最小は無い。これは、私が発見した日本一シリーズにノミネートされるのではないだろうか。
 
さて、「ぶつぶつ川」の源流は湧き水か伏流水と思われる。川底からブツブツと水が湧いてきている。この、空気の泡が出てくる様から「ぶつぶつ川」と名付けられたようだ。
 
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ぶつぶつ川全域に渡って、生き物調査をしよう。
 
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採取できたのは、エビ2種、ハゼ3種、小魚1種、カニ1種の合計8種。短い河川なのに驚くべき、多種の生き物たち。
 
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そして、いよいよ本格的な水質調査を行う。
調査項目は、pH、濁度、電気伝導度、水温の4種類。調査範囲は、
①ぶつぶつ川の源流(湧き出し地点)
②ぶつぶつ川が合流する粉白川の上流地点(ぶつぶつ川の影響無し)
③ぶつぶつ川が合流する粉白川の下流地点(ぶつぶつ川の影響有り)
④プール(参考値として)
 
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計測結果は以下のとおり。
 
ぶつぶつ川及び周辺の水質調査
場所 PH 濁度 電気伝導度 水温
ぶつぶつ川 6.86 0.5 133.4 18.8
粉白川(上流) 6.96 6.5 0.441 20.5
粉白川(下流) 6.99 5.0 0.451 19.6
プール 7.48 2.0 50.8 30.8
(排水基準) 5.8~8.6 25以下 参考値
 
この結果から導き出せること
 
1.ぶつぶつ川は、濁りがほとんどない清流といえる
2.通常の川に比べて2度ほど温度が低いことから伏流水といえるのではないか
3.ぶつぶつ川は若干pHが酸性側を示したが、この程度なら試験時の誤差ともいえる
4.電気伝導度は、地下水系統の異なる水の判定に使うが、これによるとぶつぶつ川と粉白川は全く異なる水源から発生していると断定できる。
5.粉白川の上流と下流ではあきらかにぶつぶつ川の影響を受けているといえる
 
今回の水質調査の結論
日本で一番短い「ぶつぶつ川」は、汚れが皆無であるといえる。それだけでは無く、小さな生き物も多数遡上している事が確認できた。また、所詮、本流の川の付属品じゃないとのご意見があるだろうが、水源地が異なる以上は、同種の川とは言えないと思う。
以上により、「ぶつぶつ川」は日本有数の清流と言い切っても間違いとは言えない。
 
上記については、あくまでも個人の見解ですが、一つ言える事!
和歌山県に来られたときは、「ぶつぶつ川」に是非お立ち寄り下さい。