「日本林業遺産」
 
世界遺産や日本遺産はブームでもあるし知らない人はいないと思われるが、日本林業遺産なるものがあるとは知らなかった。
 
林業遺産とは、日本森林学会が林業振興に貢献した物に対して認定したもであり、その表彰は2013年から開始している。
木曽森林鉄道は、その認定第4号である名誉ある遺産である。それを知ったのが、赤沢森林鉄道の駅舎にかざってあった小さなビラであった。
さて、その認定内容は日本森林学会には以下のうように記載されている。
「木曾森林鉄道は、大正時代から昭和40年代にかけて、木曾地方で運用されていた森林鉄道の総称である。木曾ヒノキをはじめとする木材の搬出に用いられ、歴史と規模の大きさ等から、国内の森林鉄道の代表的存在であった。また、山村における生活の足としても運用され、域内外の人々の記憶に強く残っている。」

認定対象は、十王沢橋梁、鬼渕鉄橋、小田野橋梁、ボールドウィン蒸気機関車・他である。
 
なんとまあ、全く知らなかった情報である。スマホで調べようにも僻地なのかツタヤの1000円スマホが悪いのかわからないが圏外である。
ここのスタッフやボランティアの人々に聞いて回ったがよくわからなかったし、遺構の地図もなかった。
唯一判明したのが、国道19号線沿いに「なんかあった」だけである。
残念だけど、次回のお楽しみにしよう。
もういちど認定対象を見てみると、ボールドウイン蒸気機関車が入っていますね。あらためて、お宝を見てみよう。
 
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BALDWIN  60874号機 メイドインU.S.A
さっきまでは、単なる景色の一環とし見ていたが、あらためて林業遺産としてみると、良さが倍増する。
 
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さて。他の林業遺産も見てみたいが、わからないものはしょうがない。そして、帰途につくことにした。ただし、上松町から赤沢自然休養林に至るルートにも遺構があるかもしれない。周囲を見ながらゆくりと帰ることにする。
川を渡る橋から周囲を見たら、森林鉄道跡が見つかるかもしれない。
駐車場から10分程度走った時に、突然それらしきものが。
橋台だろうか。2基見える。

 

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赤沢方向の橋台。切り石積みが見事である。
 
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上松町側は、草木に侵食されてきているが、切石の目地の白さととてもあう。ビューティフル!
 
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再び来るまで走り出す。先ほどの橋梁跡でおよその森林鉄道の道筋が読めてきた。それなら、道の横にある平たいところも廃線跡じゃないだろうか。
 
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車を下りて、あやしいところを歩いていくと、緑の中に・・・
 
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プレートガーダー橋だ。切石積みの橋台と、錆び止め塗装がまだ残っている橋げた。そして、朽ちかけて崩壊しそうな枕木。
 
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これで、何かをつかんだ気がした。鳥屋尾橋から見てみると、橋梁跡を発見する。
 
 
赤沢側と、上松側の両方に橋台が残されていた。
 
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本来ならここまで車で15分くらいの距離だが、車から下りて探索したりしている関係で1時間以上は経過している。
思ったよりも、遺構が残されていたので、その2へ続く。
写真:割石太郎