妄想症に毒される人々…オリオン・ミッションNO407 | ヘミシンクピンポンパン

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――ウィキより転載――

《私は2人の友人と歩道を歩いていた。太陽は沈みかけていた。突然、空が血の赤色に変わった。私は立ち止まり、酷い疲れを感じて柵に寄り掛かった。それは炎の舌と血とが青黒いフィヨルドと町並みに被さるようであった。友人は歩き続けたが、私はそこに立ち尽くしたまま不安に震え、戦っていた。そして私は、自然を貫く果てしない叫びを聴いた》

(続く)

 

《オリオン・ミッション…妄想症に毒される人々NO407》

この画家もまたシゾフレ人、あるいはメランコ人だったのだ。クリムゾンのアルバム《21世紀の精神異常者》のジャケットに描かれているのは、血の赤い色に染まったクリムゾン王なのだろう。しかしそのような解説はこのアルバムのどこにも書かれていない。

 

それはどう見ても、このムンクの《叫び》の人物を画面いっぱいに描いたようにしか思えないのだが。私にとってはこのアルバムを聞いて以来、半世紀近くいだき続けているちょっとした謎なのだ。しかし答えを知りたいとは思わない。

 

仮にそうだとしたらグレッグ・レイクによって歌われる、この血塗られた赤の王の叫びは、現代のムンク…21世紀に生きるシゾフレ人やメランコ人をうたっているのだ。ピート・シンフィールドが何を思ってこの詩をつくったのだろうか。詩とか小説が心底嫌いな私には何を書いているのやらさっぱりわからない。

 

《21世紀の精神異常者》

《猫の忍び足 鉄の爪を持った脳神経外科医が

「もっと!」と金切り声を上げる

妄想症に毒された扉で

21世紀の精神異常者 

 

血塗れの拷問台 有刺鉄線

政治屋たちを焼き殺す薪の山

ナパーム弾に犯される罪なき人々

21世紀の精神異常者 

 

死の種 盲者の強欲

詩人は飢え 子供たちは血を流す

奴には本当に必要なものは何も手に入らない

21世紀の精神異常者》

 

 

キング・クリムゾンは何度となく解散を繰り返した。しかし唯一のオリジナルメンバーであるロバート・フィリップは、頻繁にメンバーを入れ替え、まるで不死鳥の如くバンドを蘇らせた。結成されてから50年以上が経過し、何十枚という…もしかしたら100枚以上だろうか…アルバムを発表したが、同一メンバーだったことは一度もない。

 

その全てが創造的作品で、彼らは今もなお活動を続けている。私にとっては《太陽と戦慄》が最絶頂期だった。特にアルバムの一曲目、パート1には激しく感銘を受けた。これほど謎めいた音楽はめったに聞けるものではない。あらゆるジャンル、それに音楽の歴史の中でこの異様なサウンドは特筆に値するのだが、例によって真実の美や驚異に対する注目度は低い。

 

パート2はヘヴィメタとして解釈されてしまったのか、今でもその筋では話題になるようだが、パート1は全く顧みられることがない。それは完全に無視されている。この時をピークにしてそれから《レッド》以後のクリムゾンには、ずっと期待を裏切られ続け今に至っている。

 

エイドリアン・ブリューが加入してからはただただ失望。それから以後のことは知らないし、完全に興味をなくしてしまった。何よりロックミュージックは死んでしまい、それとともに彼らはロックシーンの無数の星々が輝く、その彼方の暗黒の背景へと消えていったのだ。

(続く)

マサト