怪奇現象の戦い方…オリオン・ミッションNO299 | ヘミシンクピンポンパン

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ヘミシンクと幽体離脱体験記

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しかし慣れないうちはそれが恐ろしくてたまらない。あなたは今そんな状態かもしれない。

特に寝入りの瞬間に体脱はおきやすいのだ。それが金縛りから始まる場合、あなたのベッドの周りに見知らぬ誰かがいる。

(続く)

 

《オリオン・ミッション…怪奇現象の戦い方NO299》

その見知らぬ誰かは、あなたにのしかかるように上から見下ろしてくる。ときには本当に押さえつけられ窒息しそうになる。あるいは足首を掴まれ闇の中へと引きずり込まれる。これはホラー小説や映画でおなじみの光景なのだが、毎晩のようにあなたに襲いかかってくる。

 

私の場合はその恐怖に耐えられず、毎夜浴びるように飲めない強い酒を喉に流し込み、部屋の灯りをつけたままで寝た。そうしなければ寝られないという状態が何年間も続いたのだ。にも関わらず横になって眠りにつこうとしたまさにその時に、部屋の明かりは不意に停電に襲われた。

 

それは私を発狂させるほどの恐怖に陥れた。ある日この停電が私の部屋だけで起きていることに気づいたのだ。ところが寝る部屋を変えても同じことが起きる。これはブレーカーや電気ケーブルの問題ではなかった。

 

深夜に入浴中にも停電したのだ。真っ暗闇のバスルームの恐怖は寝室の比ではなかった。暗黒の壁に蝋燭の小さな炎が灯り、そこに赤い小さな鳥居が浮び上がり…まさしくホラー映画そのものだった。鳥居の影は狭いバスルームの中で陽炎のように揺らめき、声や音が今にも聞こえてきそうだった。

 

そのまま放置すれば何が起きるやら…私は心底ゾッとし、パニックになって逃げ出した。そんなことがあって、やがて私が体験しているこの停電現象に、その当時同居していた家族も気づき始めた。ところが私の身内はそれを面白がっている…としか思えなかった。笑っているのだ。

 

私は嘲笑されていた。おそらく私は家族からはどうしようもなく、面倒で厄介な奴と思われてしまったようだった。身内がそんな冷たい連中だと、そのことに気づいていれば、その家にはいなかっただろう。てっきり私は大事にされていると思いこんでいたのだ。

 

全然そうではなかったのだ。これは実に滑稽で笑えることだった。私の超鈍感力がそうさせていたのだ。身内にとっては、私はただのお荷物でしかなかった。そのことに気づいていれば、私はさっさとそんなところは飛び出していただろう。そうすれば私には今とはまったく違うパラレル世界が開かれていたのだ。

 

つまりぜんぜん違う人生を生きることになったはずだった。この停電や金縛り、そして未知の存在や、怪異な力と戦ってしまった前幽体離脱期ともいえるこの期間は、私にそれを教えようとしていた彼らの賜物なのだ。この恐怖は貴重な贈り物だった。

 

彼らはそこを離れろと教えていたのだ。今ならはっきりとそれがわかる。あのとき私にそれを受け止める力があったらと思うとかなり悔やまれる。このとき、あったはずのもう一つの私の生き方を、現在の私は知ることができる。今になってようやくそれを見ることができるようになった。

 

しかしこの当時の私には、この奇妙な怪奇現象を受け止めるなど不可能だった。受けるのではなく私は敢然と戦うことを選んでいた。私は枕の左右に停電対策として、単一電池が6本も入った大きな懐中電灯を2つ置いた。わざわざホームセンターでそれを買ってきたのだ。

 

そして寝る前にそれを素早く掴み、スイッチを入れるという《練習》を何度も何度も繰り返した。私が目標としたのは1秒以内だった。練習ではその時間は容易に達成できていた。問題は金縛りに襲われているとき、果たしてやれるのかということだった。

(続く)

マサト