台湾へ行く前に観賞させていただいた、台湾における戦後の戒厳令下で国民党政権によって行われた政治的迫害「白色テロ」の女性被害者を題材にした、台湾映画「流麻溝十五号」。



 

中国大陸では共産主義下の毛沢東が少なくとも2000万人以上の自国民を文化大革命で虐殺したとの事ですが、台湾においても中国国民党政府による1947年の228事件や、それ以降の戒厳令下において反体制派(主に本省人【台湾人】)に対して政治的弾圧が行われました。



 

228事件では、事件の犠牲者数が1万8千〜2万8千人と推計されております。
 

また、その後の白色テロでは、国民党政権に対して実際に反抗するか若しくはそのおそれがあると認められた140,000名程度が投獄され、そのうち3,000名から4,000名が処刑されたと言われております。
(戒厳令が解除されたのは1987年・その後李登輝閣下が台湾を民主化)


 

共産主義にしても資本主義にしても、民主化を認めず政治的な自由を迫害する独裁政権では、多くの自国民が犠牲者となり多くの罪なき国民に不幸をもたらします。
 

この映画でも、台湾で行われた「白色テロ」の悲劇が映し出され、人間の愚かさや専制・独裁国家の悲惨さが描かれており、戦後間もなく信念を曲げずに命も惜しまず最後まで抵抗し(映画では女性が主人公)中には犠牲となった立派な台湾人の方がいた事もあらためて知りました。
 

観ていてきつくなる事も多々ありましたが、映画「流麻溝十五号」は、台湾における日本統治下が終わり国民党独裁政権に支配された戦後の厳しい弾圧時代が描かれ大変勉強となる作品でした。