昨日は、文教常任委員会に出席。

文教委員長として委員会の進行をさせていただきました。



付託された案件は第81号議案「埼玉県立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例」の議案1件。

この条例は、学校移動など公務中に負傷した場合例えば健康診断のために外交する途中で交通事故にあってしまった場合や、校内での検査器具の運搬中に転倒して負傷した場合などにおける補償について定める条例です。

国家公務員の給与額の改定に伴い政令が改正されたため、条例で定める保証基礎額も同様に改定する内容で、質疑の後に全会一致で可決されました。

その後、執行部から、当面する行政課題として、「指定管理者に係る令和4年度事業報告書及び令和5年度事業計画書について」並びに「令和5年度における指定管理者の選定について」の報告があり、長瀞、小川、神川、名栗げんきプラザ、さいたま文学館、川の博物館の事業報告書と事業計画書や、さいたま文学館の指定管理者の選定についての報告並びに質疑が行われました。

最後に所管事務調査として、教科書の選定に関わる諸問題について新井豪委員が質疑され、かつて教科書を発行する会社の約半数が、検定中の教科書を事前に見せた「教員ら4千人以上」に謝礼の提供をしていた「教科書謝礼問題」について、教科書会社から金品を受け取った教員らは、主にどのような処分を受けたのか。また、これらの教員はその後に教科書採択事務に関わることが制限されていないのか。

高校の地理で使用される東京書籍の「新高等地図」は、検定によって調査官が「20か所」の検定意見を付けただけだったものが、後に教科書会社によって自主的に1200か所以上の修正が行われ、そのうち1000か所以上が誤表記、つまり、地名、県名、国名などが間違えていた。

これらの誤表記は「検定」によって指摘されず、見つけられなかった。

しかし、自由社の歴史教科書は405か所の検定意見で「一発不合格」となりました。405か所の殆どが誤表記ではなく、調査官の主観によって「誤解を招く」などの言い方で指摘され、さらに、この指摘の多くが、他社と同じ表記なのに自由社だけが指摘された。

このように、文科省の教科書検定というものは「極めて恣意的に」行われていることが露呈した。

今現在の文科省の検定に合格した教科書すべてが、公平性と客観性が保たれた質の高いものだとは限らないという状態という点を指摘した後に、教育委員会および事務局においては、たとえ検定に合格した教科書でも、しっかりと調査・研究し、「教科書として適切か、不適切か」を見極め、他の自治体のように不適切だと思われる教科書を排除するくらいのリーダーシップが求められるが、教科書採択について埼玉県教育委員会がどうあるべきか、教育長の所見を伺うなど、的を得た鋭い質問をされました。

教科書会社の謝礼問題において、当時閲覧が禁止されている検定中の教科書を事前に閲覧して謝礼を受け取った疑いがあるものとして懲戒処分や文書訓告、 厳重注意など延べ167名の県内の小中学校の教員に対して処分が行われた。

また、教科書採択に関する事務については、平成28年に県が作成したガイドラインで教科書会社から謝礼を受け取った教員は採択に係る準備関与が出来ないとしているので、処分を受けた教員は教科書採択に関する事務にその後関わっていない。

教育長からは、教科書選定にあたっては採択の責任に基づき、公正かつ適正な教科書採択が県立学校や市町村教育委員会で主体的に行われるよう指導助言また援助を行ってまいりたいとの答弁がありました。

埼玉県全体の教育委員の皆さん自らがしっかり検定教科書を読んで、自虐史観に基づかない教科書を採択して子供達が誇りをもって学べるよう、議会人の立場としても仲間と共に努力を続けてまいります。