昨年は映画館に一度も行けなかったのですが、1年半ぶり位に映画館に行き、話題の「FUKUSHIMA50」を観てまいりました。

近年稀にみる素晴らしい映画でありました。

3.11の東日本大震災時に埼玉県も計画停電を受けながら、厳しい状況もありましたが、まさに福島第一原発周辺の方々が未曾有の大災害を受け、原子力発電所の全電源喪失、メルトダウン、1号3号建屋の水素爆発など困難な状況の中、吉田所長を始め多くの地元出身の第一原発職員の皆さん達が、東日本壊滅の危機的状況を克服するために決死隊までつくり我々を含めた多くの人たちを守ってくれた感動のノンフィクション映画です。

当時の首相の描かれ方については、不満な方もいらっしゃるかも知れませんが、やはり専門家でない人の過剰な現地介入は、現場に混乱の拍車をかけるだけだという教訓を残してくれたと思います。

しかし、地元出身のおそらくそれほどエリートでない現場の皆さんの命をかけた奮闘ぶりに改めて感謝の気持ちを感じると共に、戦後だけでなく戦中の多くの無駄な戦死者を出した無謀な作戦と、この映画に描かれている東電本部や首相官邸の狼狽ぶり、稚拙な作戦や命令などが重なり、我が国のペーパーエリート教育はしっかりと見直さなければならないとあらためて感じました。

東日本大震災から9年を迎える日が間近という中で、この映画鑑賞によってあの頃余震に悩まされながらテレビ報道を観ていた頃を思い出し、あらためて震災で亡くなられた多くの方々に哀悼の意を捧げたいと思います。