韓国 全州国際映画祭2024 レポート! | Just for a Day: 小林真里ブログ

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映画監督/映画評論家 小林真里(Masato Kobayashi)です

今年も昨年に引き続き、

韓国の全州国際映画祭に参加してきました。

 

 

2022年に僕の映画『RAMEN FEVER』をメイン会場で

上映してくれた、韓国で2番目に大きな映画祭であり、

アジアのサンダンス映画祭といえる

インディペンデント映画に特化した映画祭です。

 

今年の全州は、韓国映像資料院(KOFA)と組んで

韓国のクラシック映画の4Kレストア版などを

6作品ほど上映したのですが、僕はその中で、

パク・チャヌク監督の傑作『別れる決心』

元ネタの一つでもあるキム・スヨン監督の

1967年のメロドラマ『Mist』(二度目の鑑賞)と、

1958年のクライムメロドラマ『The Flower in Hell』

1981年のホラー『The Hut』を鑑賞。

どの作品も味わい深いものがありました。

 

日本のクラシック映画では小津安二郎監督の

『東京物語』4K版を鑑賞。

 

新作では、昨年海外のファンタスティック映画祭で

話題になっていたアルゼンチンの

『When Evil Lurks』をようやく鑑賞。

 

 

ある田舎町を舞台に、悪魔が跋扈するゴアでショッキングな 

極悪ホラーですが、終盤の展開がちょっと納得がいかず。

しかし非常にパワフルな作品でした。

南米のホラーは今後も注目です。

 

今年で、304人の命が奪われた、

あの悲劇的な事故から10年が経過した、

韓国のセウォル号沈没事件の謎に迫った

ユン・ソルジ監督のドキュメンタリー映画

『10 Years After Sinking, Zero Sum』

は、緊迫感あふれる非常に力強い作品でした。

数多くの証言や証拠とともに、

隠された真実に関する、これは確実に怪しい、

衝撃の疑惑が提示され、驚愕するとともに戦慄しました。

 

全州では今年、この作品を含め、

セウォル号沈没事件に関連した6本の作品が上映されました。

 

映画祭ならではの国際的な出会いは、

たまたまアメリカ人のドキュメンタリー映画のエキスパートで、

大学教授にして映画評論家である76歳の女性と出会い、仲良くなり、

それ以外にも色んな国の映画人と交流を持つことができて、

ネットワークが広がったのは大収穫でした。

 

全州では、韓国のメディア・アクティビストにして

女性ドキュメンタリー映像集団「PINKS」

の面々にも初めて会うことができましたし。

 

今年も映画祭には若い映画ファン、特に女性が多く駆けつけており、

映画祭のグッズショップはいつも開店前に行列ができていました。

 

 

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全州からソウルに戻るときは、

休日(子供の日)ということで

2週間前には既にKTX(高速列車)が売り切れだったので、

仕方なく初めてバスに乗ったのですが、

グレードの低いチケット安価なバスだったにも

関わらず、椅子はレザーで座りやすく、席間の間隔もあり、

日本の一般的な長距離バスと比べても快適でした。

 

休日の影響で、渋滞で1時間半遅れて

ソウルに到着しましたが、

途中の大田のサービスエリアで休憩もあり

(韓国のサービスエリア初体験!)、

「ああ、今この地域のスタジオで『イカゲーム2』を

撮影してるんだよな」と思いに耽ったり。

 

しかし、

休憩時間が何分間か運転手から一切指示がなかったので、

あまり落ち着いてサービスエリアを散策することができず。

結果的に休憩時間は10分ほどだったか。

 

ソウルでは、マ・ドンソク主演の国民的シリーズ

『犯罪都市』の4作目と、北米でスマッシュヒットを記録した

オーストラリア兄弟監督によるレトロホラー

『Late Night with the Devil』を鑑賞しました。

両作品とも満足。

 

たまたま汝矣島に行く用事があったので、

先日ファイナルを迎えた

大ヒットTVシリーズ「涙の女王」の舞台になった

ザ・現代ソウルにも足を運んだのですが、

劇中に登場した緑の多い公園や滝もちゃんと実在しました。

なんだか良い香りがするアロマ効果がありそうな

洗練された美しいデパートでした。

 

龍山(ヨンサン)では、IU主演の

「マイ・ディア・ミスター 〜私のおじさん〜」

の最終話にも登場した重要かつ印象深い踏切を

ついに見てきました。

感慨深かったのですが、同時に悲しくなりましたね。

イ・ソンギュン氏、ご冥福をお祈りします。

 

そこから15分ほど歩いて、「涙の女王」に登場した

ナミョン (南営)駅の近くにある

バッティングセンターにも行ってみました。

 

なんと無人、しかも3つしか打席がなく、

球速は115キロと125キロというなんだか中途半端な数字。

料金は500ウォン(約50円)で10球打つことができました。

東京に比べたらかなり格安。

海外のバッティングセンター体験は初めてでしたし、

そばを地下鉄が走っている風景も新鮮でした。

 

その道中で24時間営業している有名な

カムジャタンのレストランで夕食を食べたのですが、

カムジャ(じゃがいも)というわりに、

じゃがいもが一切入っていませんでした。

 

というのも、

韓国では異常気象の影響でじゃがいもが高騰しており

その値段は世界一という統計も。

じゃがいもは気温にとてもデリケートで栽培が難しいのですね。