監督のルーツに回帰した『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3』 | Just for a Day: 小林真里ブログ

Just for a Day: 小林真里ブログ

映画監督/映画評論家 小林真里(Masato Kobayashi)です

ジェームズ・ガン監督の

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』

を鑑賞しました。

 

Radiohead「Creep」で幕を開ける、

ロケット・ラクーンの隠された過去が明らかになる

このトリロジー最終章ですが、ガンのルーツである

トロマ映画のテイストが色濃い、さりげなくゴア描写も炸裂し

ホラーテイストも感じられる、ちょっとビザールな150分でした。

 

神様気取りの狂った遺伝科学者による

恐ろしい人体実験を受け、障害を抱え

監禁されてる動物たちの痛ましい姿は悲しいと

同時にどこかおぞましくもあり、ダウナーな気分に陥ります。

エモーショナルでありながらもショックが上回るという。

 

この作品は、多くの人(エイリアン)命が

奪われる点でもマーベル映画としては珍しい。

 

そしてガンのデビュー作『スリザー』が影響を受けた、

『ブロブ』や『ソサエティ』などの粘着系ボディ・ホラーの

要素も含有し、監督の嗜好が大いに反映されている点からも

今回はクリエイティヴ面でかなり自由を与えられたのだなあ、

ということがよくわかりました。

それがこのシリーズ最後の作品にマッチしていたのかどうかはともかく。

 

要所要所のギャグが、あまり機能していなかったのは、

ちょっと残念でした。

 

ガーディアンズというはみ出し者集団が、絆を深め

一つのファミリーになるという着地は、収まりとしては良かったかと。

 

ちなみに、ガンの恩師でトロマの総帥ロイド・カウフマンが

カメオ出演してます。