『T2 TRAINSPOTTING』 | Just for a Day: 小林真里ブログ

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映画監督/映画評論家 小林真里(Masato Kobayashi)です

『T2 トレインスポッテイング』鑑賞。

 

 

一作目は原作はラディカルで過剰で最高だったし、音楽は良かったけど、

映画そのものはそこまで魅了されなかった。

 

20年後の続編はしかし、ノスタルジックを全面的に肯定的に押し出し、

個人的に過去を振り返るのは好きじゃないが、

過去の続きが現在であり未来である、

一直線の人生の重要な一部である事実を懐古主義的にではなく、

温かい目線で描いていて、なんだかはっとさせられたのでした。

 

しかも、要所でサブリミナル的に過去を挿入する、ちょっとずるい手法なのだが、

音楽を細かく刻んで、繊細に効果的に使用する手腕はさすがダニー・ボイルで、

ああスパッドが効いてるな今回は。と思ったら、最終的に一番の主人公ではないか。

 

中年の遅れてやってきた青春映画みたいな印象で、

根本はなにも変わってないけど、地の足が着いて少し大人になった

やんちゃでワイルドな主人公たちの今の姿に、なんだかしみじみとさせられた。

疾走感の代わりに、深みがある。円熟がある。

 

ビジュアルやカメラワーク、画角や映像テクニックは

フィルムメイカーの極上の教科書です。

 

鑑賞中に会場が揺れた気がしたのだが、ちょうどクラブのシーンで

爆音が鳴っていたので、こりゃ凄い音響だな。

と思っていたら、地震でした。

 

映画の舞台になっているグラスゴーに、今年は行こうと思います。

 

で、夜はリキッドルームでWARPAINTのライヴ。SOLD OUT。

ぱんぱんに埋まってました。

セットリストはしかし、10月にロンドンで観た時とほとんど同じ。

「私、日本人だったら良かったのに!」と笑顔で言い、

ステージを颯爽と去ったテレサは眩しかったです(リップサービスだとしても)。

彼女の繊細なギターの音が好きです。プレイも。ヴォーカルも。

 

で、明日からニューヨーク&東海岸&テキサスです。

よし、新しいスタート、頑張らねば。