LORDE at Shinagawa Stellar Ball 2014 | Just for a Day: 小林真里ブログ

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映画監督/映画評論家 小林真里(Masato Kobayashi)です

先週火曜日、Lorde(ロード)の単独公演を観に行きました。


フジロックで来日したついでに、一日だけ東京で単独公演を行ったのです。

キャパ2000のハコですが、チケットはもちろんSOLD OUT。


場内は、僕が普段足を運ぶインディロック系のライヴと全然異なり、

ティーン女子がメイン!しかし50代ぐらいのおじさんの姿もちらほら!

もちろん外国人客も多いぜ。という不思議なミックスぶりでした。


若干17歳のシンガーながら、昨年リリースされたデビューアルバム

「PureHeroine」からのシングル「Royals」はグラミー賞の

ソング・オブ・ザ・イヤーを獲得、アルバムも米英で1位という快挙。

もはや、テイラー・スウィフトやケイティ・ペリーと並ぶ、世界を代表する

女性シンガーの代表格に上り詰めたと言っても過言ではないでしょう。


アニマル・コレクティヴやスカイ・フェレイラのSEに続き、ほぼ定刻通り開演。

キーボード(&サンプリング&シンセサイザー)とドラム(&エレキドラム)

という二人のバックミュージシャンを率い、黒いバックドロップとステージを

背景にシンプルながら神々しい照明でその姿を浮き上がらせる演出は、

スウェーデンの歌姫、Likke Liのライヴに近い雰囲気がありました。

一曲目は、いつも通り「Glory and Gore」。


以前、海外フェスのライヴストリームでステージングは観ていていたのですが、

長い髪を振り乱し、独特の舞いを交えながら、

ひたすらダイナミックに体を動かすパワフルで躍動感ある

パフォーマンスは迫力満点で、

粘り気があり、人生を悟ったかのようなヴォーカルと絶叫も説得力と

凄味があって貫録たっぷり。気骨ありすぎです。

シンセポップやダブステップ、エレクトロも飲み込んだダンサブルで不穏なビートと、

極上のメロディをミックスさせながら、唯一無二のライヴを披露してくれました。


ザ・リプレイスメンツの「Swinging Party」をカバーするセンスも見事で、

Grimesやジェイムス・ブレイクと比較されがちですが、

ダークながらロックで王道のポップセンスも兼ね備えた

オルタナティヴな極上ダンスミュージックに昇華されていました。

ライヴを観て、彼女の実力が本物であることをよく理解できましたし、

アルバムで聴く以上にエモーショナルでドラマティックで美しく、

心に沁みるものがありました。

時間をかけたmcも、東京への愛情と敬意を心から表した

切実で愛くるしいもので、初々しくも美しいものでした。

大した肝っ玉、心臓です。


特に、最後に披露された「Team」と「A World Alone」の二曲は、

捨て曲のないパーフェクトな名盤デビュー作の中でも特に

大好きな曲なのですが、感極まり、昇天寸前でした。

全14曲、70分。

今のロードを観ることができて、感無量でした。


17歳の歌姫の快進撃は始まったばかりですが、製作中のニューアルバムと、

キュレーターを務める『ハンガー・ゲーム3』のサントラを楽しみに待ちたいです。