ニューヨーク・ロックシーンの大御所と愛について語る | Just for a Day: 小林真里ブログ

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映画監督/映画評論家 小林真里(Masato Kobayashi)です

3月23日(Thu) 


 昨日は、僕がエージェントを担当している
WHITE HASSLEのリーダーであり、友人である
マーセラス・ホールとLower Eastsideのカフェで
まったり茶をしばいてきた。
彼は、WHITE HASSLEの5週間に渡るEU TOUR

から戻ってきたばかりだ。


http://www.whitehassle.com/index.html


マーセラス・ホール

ツアーは盛況で、どこも食事が美味しくて最高だった
とのこと。ツアーの最終地であったフランスの
オーディエンスだけ、どこか特殊で不思議な感じ
だったと言っていた。

ツアーの話をメインに聞こうと思っていたのだが、
途中から話は、彼の人生のニューチャプターについて。
そして、愛の話へと移行していくのであった。

WHITE HASSLEのアルバムのアメリカや日本での
リリースについて。平行して進められているソロについて。
最近の音楽などについて語ったあと、彼はもう一つの
アーティスト=イラストレーターとしてキャリアに
ついて熱く語りだした。数々の新聞や有名雑誌の表紙
を描き、作品集も出版し、大学で講演を行うなど
そちらでも精力的に活動を続けている彼の次のプランは
絵本作家だという。ジョン・アーヴィングの小説で
言うところの、『未亡人の一年』のテッドですな。
しかもシュールでクレイジーなものを考えているという。
まあ、普通じゃないストーリーがいいなと。
そこらへんがロックでいいと思った。
しかしストーリーを書くのに少し自信がないと彼は語った。
今までいっぱいいい歌詩を書いてきたんだから、
できるだろう?と真里は言った(テッド流に三人称で)。
そうだよな。そこは自信を持たないとな。
とマーセラスは答えた。


white hassle

そして突然彼は、最近新しい日本人の女の子の友達が
できたけど、お前知ってるか?と言われた。
はい?あの、ニューヨーク在住の日本人女子がみんな
俺の友達というわけはないんですが。
この繊細なプレイボーイは、たくさんガールフレンドは
いるようだが、なかなかステディができないらしい。
カナダやらフランスやら、時間をかけて遠距離恋愛を
している。あえてシリアスな関係は避けて、そういう
困難な遠距離恋愛を続けているの?と質問してみた。
あまり深入りする関係はいやなのかと。
そんなことはない。と、彼は即座に答えた。
そりゃ、身近に大切な人がいてほしいと。
でも、失恋を繰り返しそれを自身の作品に反映させる上

でも 一部のミュージシャンやアーティストにとって、

それは 不可欠な要素だし、なにもネガティヴなこと

ばかりでも ないんだな。意図的にそうしているわけでも

ないけど。 安定や落ち着いた生活というものは逆に

必要ない のかもな。とも考えた。
最近仲の良い女の子にも、デートしたり色々トライして
みたがケミストリーを感じることができなくて、
それっきりだと言っていた。この人はよく「ケミストリー」
という言葉を口にする。The Fiery Furnacesのエレノア
(超キュート)とデートしたときも、ケミストリーを
感じることができなくて。みたいなことを言ってた。
その男女間の化学反応とやらは、一回会っただけで
分かるような、それで結果が出てしまうものだろうか。
最初にこれは!!と思っても、しばらくして距離ができ
たら消えていくものでもあるのではないだろうか。
常にそれはそこにあるものでもないだろう。
それは自然発生するものだが、自分からそれを作り上げる
ことも大切なのではないだろうか?ということを彼に
言ってみる。どうやって?と返された。
どうやってだろう?自分が興味が持ったなら、相手と過ごす
時間を作る努力をし、まずはコミュニケーションを取ること
ではないか?と答えてお茶を濁した。チャイを濁した。
どっちでもいい。
僕と彼のケミストリーという言葉に対する見解が
違うのかもしれないが、不可欠な要素ではある。
でも、多分彼にせよ僕にせよ、どうでもいいことを
こねくり回していらぬことを考えすぎなのだろう。
恋かあ。

うえ、お前、このコーヒー飲む?
俺、コーヒーって普段飲まないんだけど、
たまにはと思ったけど、やっぱ無理。
と、しかめっ面で困った顔をしながらマーセラスは言った。
ありがとう。でも俺も、コーヒー飲まないから!

目の前にいるこの男が、90年代に
JON SPENCER BLUES EXPLOSIONやLUNAなんかと

一緒に、RAILROAD JERKというバンドでニューヨークの

インディ・ シーンを牽引してきた男なんだということを、
たまに忘れてしまう。
Yeah Yeah YeahsのカレンOやニックが、あなたのファン
なんです!と腰を低くしながら声をかけてきたり、

THE WALKMENなどのバンドにも影響を与え、

MODEST MOUSEなど同業者からも熱い視線を

送られているミュージシャンでもあるのだ。


railroad jerk

やっぱり、彼には絵本作家や絵描きとしてではなく、
ミュージシャンとして、バンドとして成功を
掴んでほしい。
やはり彼には、彼にしかない音楽的才能があり、
人の心を震わす素晴らしい声とメロディ・センスを
持っているのだから。

そういえば、マーセラスからダニエル・ジョンストン
絵画展がチェルシーで行われている情報を聞いて興奮!
早速、明日にでも足を運んでみよう!!
彼のドキュメンタリー映画、
『THE DEVIL AND DANIEL JOHNSTON』も来週公開だし、
いやあ楽しみだなあ!!


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昨日、実はなんと天下のUNIVERSALからなぜかメール
が来て、明日の『SLITHER』(スティーブ・ガン君の新作ホラー)

の テスト試写に参加しないか?
と書かれていたので即効で行きます行きます!と
アプライしたのだが、メールに気づくのが遅くて、
時既に遅し。申し込みが締め切られていました無念!!!
そんなメールには気づかずジャッキー!ジャッキー!
マザファカーー!!してましたから昨晩はええ。
ああ、UNIVERSALの試写室に入ってみたかったなあ。
まあ、またチャンスがあるだろう。

そしてそういえば、昨日はいきなりAMOS LEEという
最近人気沸騰中のミュージシャンからMY SPACEの
友達リクエストが来て、非常にびびった。
なんで俺?どうやって見つけたの?偽者じゃないの?
と思ったらマイミクシィが1万人以上いたので本物だろう。
まあ本人が直接タッチしているかどうかは不明だが。
このメッセージに動揺して、『SLITHER』のメールに
気づかなかったのか、そういえば!