ハードとソフト
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さて、世の中の様々なしくみについて、ハードウエアとソフトウエアがあります。
ハードとソフトは、車の両輪のようなもので、相互にバランスがとれていなければなりません。
東日本大震災の被災地をいち早く取材した、ビデオジャーナリスト神保哲生氏がこのように語っていました。
防災でもハードとソフトがある。ハード面は、居住地(海岸ぎりぎりに住まない)、防風林、防波堤等々。しかし、ハードだけでは限界がある。情報、避難体制、防災教育などのソフト面を充実させないといけないのではないか、と。
この話の例として、防災先進地区として知られていた田老(たろう)地区を取り上げていました。ニュースでも再三取り上げられていた場所なので、ご存じの方も多いと思います。
田老地区は、高さ10m、長さ2.4㎞の防波堤を作り、防災訓練も実施していたそうです。しかし、悲しい話ですが、大津波警報が発令され、避難指示が出されたのにもかかわらず、この田老地区の避難率は9.5%だったといいます。
決してソフトを疎かにしていたわけではないのでしょうが、あまりにも立派な防波堤が、心の弱みを作ってしまったかも知れません。
話によると、新しく越してきた人は無謀にも、堤防の海側にまで家が建てたといいます。
一方で、防災教育を受けた釜石の小中学生が、真っ先に逃げて、村の人々を結果として救うことに繋がった話も取り上げていました。
まさに、津波てんでんこです。「てんでんばらばらに、人に構わず必死で逃げろ」という意味だそうです。もっと言うと、家族を家に置き去りにしたとしても、すぐ後ろで波にのまれたとしても、助けに戻るな、子孫を絶やさないために自分だけでも逃げろ、だそうです。悲しく切ない言葉です。
ハードを強くし過ぎると、それに頼ってソフトが疎かになる。これが人間の心の弱いところかも知れないということを、つくづく考えさせられました。