やり と ぼう
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
百貨店に在籍していた頃、もうお亡くなりましたが、大先輩で「やりとぼう」の話を得意とする方がいらっしゃいました。何のこっちゃ、といぶかしげに思われる方がおられるかも知れません。
「槍と棒」、含蓄のある、なかなかいいお話なんです。
この大先輩は、結婚式の披露宴等の宴席の度に、「やりとぼう」の祝辞を述べられるのです。
「これから夫婦という共同生活を営むに際して、欠かせないものがあります。それは『槍と棒』です。つまり、やりはやりでも、思いやりが必要です。ぼうはぼうでも、辛抱が大事です。云々・・・」とお話になっていました。
ある宴席に列席されたとき、出番も後半であったということもあるのですが、結構お酒を飲まれていたのでしょう。少し、千鳥足気味に前に出られて、マイクを握られました。
挨拶が始まりました。そして、佳境に入ってきました。「・・・・・では、最後にご両人にこの言葉をお贈りして、お祝いの言葉とさせて頂きます。それは「やりとぼう」という言葉です。」おっ、始まったな。
「つまり、やりはやりでも辛抱、・・・・・・・アレ?」
お話し上手の大先輩でしたが、挽回できる場合と挽回できない場合があるのですね。このときばかりは、さすがに二の句が継げませんでした。
弘法にも筆の誤り、猿も木から落ちる、上手の手から水が漏れる、こともあるのですね。
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