【Bunnmei の一言】

 

AIのトレーニングや推論には大量のデータが必要であり、データ量の増加に伴い、データセンターの処理能力が求められます。このようなデータセンターが世界各地で建設されています。それらが一斉に稼働すれば、電力需要が増大するのは確実です。

 

高度なAIモデルの開発には大量の計算リソースが必要です。特にディープラーニングモデルのトレーニングには高性能なGPUやTPUが多く使われ、それに伴って電力消費が増加します。

 

AI技術の普及により、さまざまな分野でのAIの利用が増加します。例えば、医療、金融、製造業、エンターテインメントなど、あらゆる業界でAIが活用されるようになり汎用化の過程で電力需要は必然的に伸びます。

 

リアルタイム処理の需要という面もおおきいようです。リアルタイムでのデータ処理や意思決定が求められるシナリオが増え、データセンターの稼働率が高くなります。

対策には限界が見える

電力需要の増加に対する対策として、エネルギー効率化技術や再生可能エネルギーの利用が重要です。さらに、エネルギー効率の高いアルゴリズム開発など言われています。省エネルギーを考慮したアルゴリズムやハードウェアの開発が進んでいます。例えば、軽量なニューラルネットワークや量子コンピューティングの活用が期待されます。しかし、資本主義競争の常で、「効率化」「省エネ化」「二酸化炭素削減」といったスローガンは結局のところ、増大する産業の規模からすれば、焼け石に水と言わねばなりません。同じことですが、資本間競争は「電力消費削減技術」の効果を無視して増大すると危惧されます。その証拠が下添付記事の実態です。(了)

 

グーグルのCO2排出量が4年間で1・5倍に

…生成AIで電力消費増、排出量実質ゼロ困難に

 (msn.com)

 

グーグルのロゴ=ロイター

グーグルのロゴ=ロイター© 読売新聞

 

 【ニューヨーク=小林泰裕】米IT大手グーグルは、2023年に同社のサービスなどに関連する温室効果ガス排出量が二酸化炭素(CO2)換算で約1430万トンとなり、19年比で48%増加したと発表した。生成AI(人工知能)需要の拡大で、同社が持つデータセンターでの電力消費が増加した。

 生成AIの開発やデータ処理には大規模データセンターの運用が不可欠だが、データセンターは温度管理などで大量の電力を消費する。例えば「チャットGPT」に質問して回答を得る場合、グーグル検索の約10倍の電力が必要とされる。

 グーグルは30年までにCO2排出量の実質ゼロを目標としているが、「サービスにAIをさらに組み込むことで、排出量の削減が困難となる可能性がある」としている。

 マイクロソフトも5月、データセンターの建設などにより、23年のCO2排出量が20年比で3割増加したと発表している。