【Bunnmei の一言】

 

フランス政治のこの数十年間。社会党中心の左翼連合政権からマクロン新自由主義政権へ、そして今極右へ。

しかし、結局のところ資本主義の矛盾は誰も解決できなかったということです。大衆の怒りや不安にこたえる政党は無かったのです。もちろん、極右も解決できないのですが、彼らが危険なのはもし政権につけば人々の不満に対してマクロン以上に強権を行使することで、フランスの分裂と混迷を深めてしまうことです。そのさい、マイノリティーや移民が「国民の敵」として弾圧され、政治的強権は深まるでしょう。

 

労働者や市民の闘いは、議会における極右進出阻止と言うだけでは済まないのは明らかです。根源的な問題を前面に立てて、スマート化し「脱悪魔化」して国民を抱き込もうとする極右を暴露し、長期的な闘いを準備すべきです。

 

現在、報道によれば、伝統的に、フランスの主流派は極右を政権から締め出すために結束してきたとされます。つまり、今回のケースではマクロン派と新人民戦線の選挙候補者の調整で、からくも極右ルペン派の内閣成立を阻止するとの議論が進められているとか。

 

2002年の大統領選挙で、ジャン=マリー・ルペン(当時の国民戦線(Front National)党首)が第1回投票で2位となり、決選投票に進出しました。これに対して、中央右派のジャック・シラク(当時のフランス共和国連合(Rassemblement pour la République, RPR)党首)と中央左派の社会党、さらには共産党を含む多くの左派勢力がシラク支持に回り、ルペンの当選を阻止しました。結果として、シラクは決選投票で圧倒的な支持を得て再選されました。このことが、今回フランス国民に想起されたと思います。

 

しかし、新自由主義のマクロン派に左派がすり寄るために新人民戦線が協力するとすれば、仮に今回の選挙で「勝利」したとしても、敗北が多少先に延びたにすぎず近未来の敗北が運命づけられるものと考えるべきです。「反極右統一戦線」と言ったものは中身のない風船を膨らませるようなものです。未来を確実にするものではありません。

(了)

 

 

 

 

マクロン氏と左派連合、ルペン氏の極右封じ込めに奔走

(msn.com)

 

フランスの各勢力、支持取り込みに奔走-決選投票に向け駆け引き激化 (msn.com)

(ブルームバーグ): フランス国民議会(下院)選挙の決選投票を控え、議席確保の闘いが激化している。各主要勢力のリーダーは、支持層を問わず有権者に呼びかけを行っている。

  第1回投票翌日の1日、中道派のアタル首相と極右政党「国民連合(RN)」のジョルダン・バルデラ党首は、仏テレビTF1のインタビューにそれぞれ応じ、支持を求めた。

  絶対多数の議席獲得を目指すバルデラ氏は、7日の決選投票でRNの候補者を支持するよう呼びかけ、「過激主義や急進主義を受け入れない穏健な左派有権者」にまでも訴えかけた。一方のアタル氏は、極右勢力の過半数議席獲得を阻止するため、全勢力が力を結集するよう求めた。アタル氏は右派、左派を含む政党を団結させ、「法案ごとに」是々非々で立法に取り組む「多元的な国民議会」を呼びかけた。同氏は「われわれは異なる政治を行う必要がある。仏国民と投票結果のメッセージを受け止めたということだ」と述べた。

 

 

極右の「悪魔化」、効果減少 メローニ伊首相 (msn.com)

 

【AFP=時事】イタリアのジョルジャ・メローニ首相は1日、フランスで6月30日に実施された国民議会(下院)総選挙の第1回投票で極右政党「国民連合」が共闘勢力を含めて首位に立ったのを受け、左派に投票しない極右の有権者を「悪魔化」する試みの効果は薄れているとの見方を示した。

メローニ氏は、第2次世界大戦後のイタリアで最も右寄りの指導者。

 伊通信社ADNクロノスに対し、仏総選挙の第1回投票の結果について初めてコメントし、マリーヌ・ルペン氏が事実上率いるRNが得票率33.15%を獲得して圧勝したことに祝意を表し、同党が保守中道・共和党との選挙協力に「成功した」点も挙げた。