コラムの窓

・・・原発をゼロにしてから死ぬのが、大人の責任だと思う!
【ワーカーズ六月一日号】

 


 関西電力は4月30日、2024年3月期連結決算の最終利益が4418億円で過去最高となったと公表。その要因としては、原発再稼働や燃料価格の低下、販売電力量の増加をあげています。

 3・11後の4月、八木誠関電社長(当時)は電気事業連合会の会長となり、原発再稼働の先頭に立ち、翌年7月には早くも大飯原発3・4号機の再稼働を実現。さらに、16年1月には高浜原発3号機を、同2月には4号機を再稼働させています。

 そして、21年6月には40年越えの老朽美浜原発3号機を再稼働させ、今日までに現有原発7基をすべて再稼働させています。3・11前の11基体制から、美浜1・2号機と大飯1・2号機は採算上の判断で廃炉に、残る7基を次々に再稼働させた結果、原発依存企業関電が復活してしまいました。

 ちなみに、電事連は1952年発足以来、3大都市圏を拠点とする東京電力、関西電力、中部電力の経営トップのいずれかが会長に就任してきましたが、東電は2011年3月に発生した福島第一原発事故以来、また関電は2019年に発覚した金品受領問題以来、会長職を辞退している状況です。

 そしていま、国のエネルギー政策の方向性を示す「エネルギー基本計画」について、電事連の林欣吾会長(中部電力社長)は5月17日の会見で、「原発依存度を可能な限り低減する」とする方針の見直しを求めるまでになっています。

「いろんな環境変化がすでに起こっている。あれもこれも考えられる手段を全て投入していかないと、そういった課題を全て解決するようなことにならないんじゃないか」「『依存度を低減する』という表現は削除していただきたい」、と。

 さて毎週金曜日、朝から関電本店前抗議行動に参加するようになって、もう10年は過ぎたでしょうか。その間に少しずつ参加者が入れ替わり、少なくなってしまっています。私は当初、参加したりしなかったりでしたが、いまは「原発をゼロにしてから死ぬのが大人の責任」だと思って、休まず参加しています。

 あれこれの横幕や旗を立て、「きたないぞ!原発稼働でカネ儲け」といったスローガンを掲げ、昼休みに出てくる関電社員に示しています。それを見てどう思っているのか、思っていないのか分かりませんが、関電という企業が社会的に問題を抱えているということを示し続けなければならないと思うのです。

 向いには国立国際美術館や新しくできた大阪市立中之島美術館があるので通行人が多く、外国からの観光客もよく見かけます。なので、〝頑張って〟という反応や、写真を撮って行く人もいます。時には話し込んでいく人、「原発なかったら電気どうする・・・」なんて文句を言う人もいます。ただ、大多数は無関心で通り過ぎます。

 また、いまはとてもいい季節ですが、寒い時期や雨の日のスタンディングは泣きそうになります。そういう時は、こんなこといつまでと思うこともありますが、やめたら関電に負けたことになるのでやめられません。核のゴミを次世代に残してしまう、その責任もあります。

 最近の自信作は、「核のゴミ!中間貯蔵で捨てるのか」「地震多発!関電若狭も危ないぞ」というもの。こういうのはおおむね5・7・5で、川柳のようになるのを考えるのが愉快だし、いい文句が浮かんだりするので深みにはまっています。 (晴)