使用済み核燃料の中間貯蔵に反対、むつ市で集会とデモ行進

 (msn.com)

デモ行進する集会の参加者たち=青森県むつ市

デモ行進する集会の参加者たち=青森県むつ市© 朝日新聞社

 

 原発から出る使用済み核燃料を一時保管する青森県むつ市の中間貯蔵施設をめぐり、燃料の搬入に反対する集会が19日、同市内であった。県内外から約100人が参加し、中間貯蔵や原発再稼働、核燃料サイクルへの反対の声を上げた。

 

むつ市への使用済み核燃料中間貯蔵について、市民約100人が反対の集会を開いた。集会には、使用済み核燃料の搬出元として予定されている新潟県の柏崎刈羽原発に反対する団体からの参加もあった=青森県むつ市

 

 むつ市関根にある使用済み核燃料の中間貯蔵施設は、国内初の原発敷地外に建設された専用貯蔵施設。5千トン規模の使用済み核燃料を、最長で50年間保管する予定だ。運営する「リサイクル燃料貯蔵」(RFS)が県や市に示した貯蔵計画では、事業開始を7~9月とし、今年度からの3年間で使用済み核燃料を入れる専用の容器(キャスク)を計8基搬入する。

 

 県や市は事業開始を前に、安全性の確保や情報公開のあり方などについて、RFS側と安全協定を締結することにしている。県議会への説明や県内全市町村長への意見聴取などを経て、7月上旬からむつ市や青森市などで住民説明会を開催。その後、宮下宗一郎知事が締結の可否を判断する予定だ。

 

 この日の集会では、参加者が使用済み核燃料搬入への反対意見を述べた。「核のゴミから未来を守る青森県民の会」の共同代表を務める古村一雄さん(79)は「中間貯蔵施設は危険な施設であることを肝に銘じなければならない」と強調。使用済み核燃料が50年後に県外へ搬出されるのかは不透明な状況だとして、「将来世代に安全安心な暮らしを引き継ぐため、最大限の努力をしないといけない」と語気を強めた。集会には施設に搬入される使用済み核燃料が保管されている、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の地元からも参加があった。

 

 集会終了後は、参加者が横断幕やのぼり旗を手に市内をデモ行進した。「中間貯蔵、絶対反対」などと声を上げると、沿道からは時折、拍手や声援も送られた。