阿部 治正

 

一昨日に私たちが千葉県当局に対して行った「国際武器見本市・DSEIジャパンに幕張メッセを貸し出さないで」という要請に対する県当局の回答は、本当にひどいものでした。

 

私たちの「国際武器見本市がなぜ福祉に資するのか」との問いに対して、誰が何と言おうと自分たちはそう考えるのだという回答を繰り返すのみなのです。これは「世間は“青”だと言っているが、自分たちは“赤”だと認識しているのだ」というレベルの回答です。“赤”だというのなら、具体的な根拠(例えば「色の波長が〇〇ナノメートルだから」等々)を示さなければならないのですが、それを抜きにただただ自分たちは赤だと認識している、だから赤なのだと繰り返して恥じないのです。

 

別の例えもあげましょう。例えば彼らの回答は「皆さんは今は“昼”だというが、私たちは“夜”だと認識している。だから“夜”なのだ」というようなものなのです。その時点が夜であることを示す天文学上のあるいは気象学上の根拠(「太陽が地平線の下18度以上に位置する時間帯だ」等々)を一片も示さないで。

 

「国際武器見本市がどのように千葉県の経済振興に貢献しているのか」という質問に対しても、上と同じような回答です。中学生のデベィトにおいてさえあり得ないような珍回答をしてふんぞり返っているのです。これが、経産省から出向してきている官僚のレベルですから、どうしようもありません。

 

彼らは、いまの情勢を信じられないくらいに甘く捉えています。まるで仮想の世界、夢の世界の住人のようです。ガザ戦争の最中に、幕張メッセにイスラエルの軍需資本10数社を含む世界の名だたる軍需資本が集まって、武器の展示や商談を行う行事を準備するということが、とりわけ今のご時世においてどういう意味を持つのかという事がまるで分かっていないのです。

 

マレーシアでは、ファミリーマートが伊藤忠の関連会社だということで、国民の怒りを買って不買運動に直面しました。伊藤忠はイスラエルのエルビット・システムズとの協力関係を白紙に戻さざるを得ませんでした。エルビット・システムズは、「パパはどこ?」などというふざけた名前が付けられた、パレスチナ戦闘員1人につき10人~15人、旅団長だと100人以上の民間人巻き添えをOKとする兵器を平気で作っているような企業なのです。

 

日本にもイスラム圏の人たちが大勢住んでいます。彼らが、幕張メッセでの国際武器見本市にはイスラエルの軍需企業がわんさかとやって来ると知れば、いったいどう思うでしょうか。

労働者・市民の行動で、国際武器見本市を葬り去りましょう!