【Bunnmei blog】

 

ロシアのウクライナ侵略の際にも、「ロシアを排除せよ」という主張が、スポーツ界やその他で噴出したと思います。

例えば、国際オリンピック委員会(IOC)は、ロシアやベラルーシでのスポーツイベントの開催地変更やキャンセルを呼び掛けました。あるいは国際柔道連盟は、ロシアのプーチン大統領の名誉会長職を停止しました。国際サッカー連盟(FIFA)は、ロシアに対し、今後の国際試合はロシア・サッカー連合として出場するよう伝え、ロシアのチームは国旗や国歌が禁止され、同国のホーム戦は中立地で実施することを決定しました。さらに、国際水泳連盟(FINA)は、ロシアのカザンでその年の8月に開催予定だった世界ジュニア選手権を中止すると発表しました。個々のロシア選手も、きわどい立場に立たされました。

 

しかし、このようなことは正当なことなのでしょうか。ロシア政府=侵略者であっても、国民や民間の団体を同じように決めつけることは妥当でしょうか? 私たちは、ユダヤ人とパレスチナ人の究極的な和解を求めます。その立場からすれば、イスラエル国籍の歌手やアーチスト、さらにはスポーツ選手などの国際交流からの「排斥」には賛成すべきではありません。

 

欧州最大の国別対抗の音楽祭「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」決勝戦が11日、スウェーデン南部マルメで開かれます。 7日に開幕したユーロビジョンは、欧州や周辺国など37カ国のアーティストが優勝を目指して順位を競う。このうちイスラエル代表の女性歌手エデン・ゴランさんを巡り、ガザ侵攻への抗議から出場禁止やボイコットを求める声が続出しました。

 

しかし、この出場者が明確にガザ侵攻や入植運動を支持してきたということでなければ、「参加排除」を求めるべきではない、と言うのが私見です。イスラエル人とネタニアフ政権との明確な区別が必要です。パレスチナ解放は「反ユダヤ主義」ではありませんし、今後ともそうであるべきです。

 

では、イスラエル「政府」としての参加となる万博や広島の平和式典への参加はどうなのでしようか?イスラエルの参加を日本政府は拒否していません。広島市(松井一実市長)は4月17日、「招待することで、平和の発信につなげたい」という言い分でイスラエル招待を発表しました(4月17日付朝日新聞デジタル)。ロシアとベラルーシは今年も招待しません。というダブルスタンダードとなっています。これは許しがたいネタニアフ政府支持となります。

 

ネタニアフ政権の蛮行はすでに世界がそして日本国民が知っています。大阪万博と広島平和式典への参加を認めればそれらのイベントの主旨が真っ向否定されるでしょう。ゆえにイスラエルの参加は拒否されるべきです。ついでに言えば、米国こそイスラエルの殺戮の共犯者です。米国政府の万博や「平和祭典」参加にも断固抗議すべきです。(了)

 

反イスラエル、祭典に影=「ユーロビジョン」決勝―スウェーデン (msn.com)

 

イスラエルを「万博」「平和式典」に参加させる日本の人権感覚 

- アリの一言  (goo.ne.jp)

 

   

 

 イスラエル(ネタニヤフ政権)の蛮行が止まりません。

 

 ハマスは6日、「仲介国エジプトやカタールによる3段階の休戦案の受け入れを表明」(8日付京都新聞=共同)しましたが、イスラエルがこれを拒否しました。ネタニヤフ首相は9日、「あらゆる手段で戦う」と改めて表明しました。

 

 この間もイスラエルによるガザ攻撃(ジェノサイド)は続けられました。ガザ保健当局によると、攻撃開始からのガザの死者は3万4904人に上っています(9日現在)。

 

 米バイデン大統領はイスラエルへの武器支援をやめるとイスラエルに圧力をかけていると報じられていますが、「カービー米大統領補佐官は…「イスラエルは自衛に必要な武器の大部分を受け取り続けている」とし、米国の武器の供与は続いていると説明」(10日付京都新聞夕刊=共同)しています。

 

 アメリカはイスラエルを軍事支援し続けており、イスラエルの蛮行はアメリカの後ろ盾があるから終わらないのです。

 

 日本はどうか。日本はもちろん軍事支援は出来ません。しかし、別の面でイスラエルを支援し続けています。その端的な表れが、大阪・関西万博へのイスラエルの正式参加を容認したことと、8月6日の広島「平和記念式典」にイスラエルを招待すること決めたことです。

 

 イスラエルの「万博」参加について、上川陽子外相は4月5日の記者会見で、ロシアとの整合性を問われこう答えました。

 

「ガザにおけるイスラエルの行動は、ハマス等によるイスラエル領内へのテロ攻撃を直接のきっかけとするものであり、ロシアが一方的にウクライナに侵攻している行動と同列に扱うことは適当ではない」(外務省HP、写真中)

 

 今回の事態の起点を「2023・10・7」(ハマスによる攻撃)に求めるのは歴史の経過を無視する誤りであることは、多くの識者が指摘しています。日本政府のダブルスタンダードは明らかです。

 

 「万博」のテーマは「いのち輝く未来社会のデッサン」。ガザの人びと・子どもたちの命を奪って全く意に介さないイスラエルを参加させて「いのち輝く」とは開いた口がふさがりません。

 

 一方、広島市(松井一実市長=写真右)は4月17日、「招待することで、平和の発信につなげたい」という言い分でイスラエル招待を発表しました(4月17日付朝日新聞デジタル)。ロシアとベラルーシは今年も招待しません。

 

 広島市の決定について、三牧聖子・同志社大大学院准教授はこう指摘します。

 

「「いのち輝く」を理念とする大阪・関西万博へのイスラエル参加に続き、なし崩し的な判断を続けていれば、日本が語る「平和」や「非核」の普遍性や、日本の人権感覚は深刻に問われていくことになるだろう。「世界」は決して(イスラエルを支持する)欧米先進国だけで構成されているわけではない」(4月18日付朝日新聞デジタル)

 

 ジェノサイドを続けるイスラエルに対してどういう姿勢をとるか。それはまさに日本の、日本人の人権感覚の試金石です。