阿部 治正

 

マルクス研究者である佐々木隆治さんが、1月に出版された彼の著書『資本論第三巻』(角川書店)についての講義を、ウェブで行っています。この著書は、同じく彼の第一巻を中心とした『資本論』に次ぐ労作です。これまで行われてきた、あまたある資本論研究の迷走や混乱がかなりすっきりと整理されており、それゆえに大変の分かりやすいものともなっています。

 

私たちが生きる現代社会のカラクリ、とりわけ経済の「金融化」現象や、昨今の「プラットフォーム化」つまり独占資本の最新の形態、その下で働く人々がどのような困難を押し付けられているか。それを克服していくためにどのような運動を作っていけばよいのか。こうしたことを考える上でも必読の書と講義だと思います。関心のある方は、ぜひご覧になってください。

以下は、角川書店による案内です。

 

■なぜ金融とプラットフォームばかりが儲かるのか? 儲けの本質を解き明かす

「資本主義的生産は、人間や生きている労働の浪費家である」

『資本論』第1巻の草稿を書き終えたマルクスが次に取り組んだのが、「儲け」のメカニズムに切り込む第3巻だった。産業資本主義が生産し、実現した剰余価値はいかに分配されるのか? 最新の草稿研究によって明快に読み解く解説書の決定版!

不平等の拡大、気候変動対策の停滞、インフレの加速。人々の生活の苦しみが増し、経済システムにたいする批判が高まりつつある今も、資本主義はそのシステムをより強固にしているかに見える。資本家と労働者の間に権力構造が発生するのはなぜか? 現代社会の混沌とした状況を解き明かし、危機を克服するためには、「儲け」のメカニズムを徹底的に分析する第3巻が要となる。マルクスも完成を見ることなくこの世を去った難読の書を明快に解説。

 

■以下はウェブ講義の案内

https://www.asahiculture.com/.../WWebKozaShosaiNyuryoku...