戦争準備に走る岸田政権にノーを!――日本は対中戦争の先兵に――
【ワーカーズ五月一日号】


 岸田首相は、4月の日米首脳会談で「日本は米国のグローバル・パートナー」だとし、世界レベルで対中包囲網づくりの先兵の役割を果たすと宣言した。

 さらには、安倍政権以降の東アジアをめぐる覇権抗争、直近では台湾有事をめぐる現実の米日台対中国の戦争を想定した日米共同作戦計画と、それを実施するための日米両軍の《指揮・統制》での連携強化にも踏み込んだ。

 それにしても、岸田首相の歯が浮くようなメッセージは異様だった。米両院合同議会での演説だ。「日本はかつて米国の地域パートナーだったが、今やグローバルなパートナーとなった」「米国は独りではない。日本は米国と共にある」「日本は控えめな同盟国から、外の世界に目を向け、強くコミットした同盟国へと自らを変革してきた」。

 そして中国の軍事動向を「これまでにない最大の戦略的挑戦」として米国の国家戦略に追随し、「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」と中国への敵対意識をむき出しにしたのだ。

 そうしたメッセージにも明らかなように、今回の岸田首相の訪米の目的は、米国にとっての世界戦略である対中包囲網づくりと戦争準備態勢づくりに、これまで以上に主体的に加担する態度を鮮明にしたこと、にある。

 岸田首相による戦争準備の加速と並行するように、このところ、〝新たな戦前〟をひた走っているかのような事例も身近に増えてきた。海上自衛隊による靖国神社への〝集団参拝〟や、硫黄島についての〝大東亜戦争〟記述、それに元海将による靖国神社の宮司就任などだ。どれも英霊思想の涵養による戦争準備に繋がるものだ。国家間抗争や戦争を煽る動きには、断固、対決する以外にない。

 集団的自衛権を容認して安保法制を転換した安倍政権、それを引き継ぐ防衛費倍増と敵地攻撃態勢の整備で戦争準備に突き進む岸田政権に対し、草の根からの反戦平和の立場から、対抗運動を拡げていきたい。(廣)