【Bunnmei ブログ】

 

昨日の訓練は、北朝鮮が米国や韓国から核攻撃を受けた場合の反撃を想定したものです。つまり、核攻撃を想定して「戦い抜く」という彼らの基本的な軍事戦略の一端をしめしました。具体的には、国家最大核危機事態警報である「火山警報」システムの発令時、各部隊を核反撃態勢へ移行させる手順と工程に熟達させる目的で行われたといいます。また、全ての核戦力に対する指揮および管理統制運用システムを多角的に再点検し、超大型ロケット砲兵部隊を迅速に核反撃へ移行させるための行動秩序と戦闘法を熟達させることが目的だと推測されます。

 

この訓練は、北の当局によりますと敵に対する明確な警告信号となると強調されています。金正恩総書記は、「敵が武力使用を企図しようとするなら躊躇することなく重大な使命を決行するであろう」と主張しました。

 

北朝鮮の具体的な核弾頭保有数については様々な推測があります。例えば、米国のシンクタンクRAND研究所と韓国のThe Asan Institute for Policy Studiesは、2020年の保有数として67~116発、2027年には151~242発に達するとの予測を示しています。スタンフォード大学のHeckerは、現在の保有数について「20~60発の可能性があるが、45発が妥当な数」と北朝鮮分析サイト「38 North」の2021年4月30日付インタビューに答えています。

 

北朝鮮は、すでに大陸間弾道ミサイル(ICBM)級弾道ミサイル=戦略核の開発と配備を進めており、これらのミサイルに核弾頭を搭載することで、米国全土を含む遠距離の目標を攻撃する能力を持っているとみられています。さらに2021年に金正恩が「戦術核兵器」の開発を掲げ、その後、「戦術核運用部隊」の訓練と称する弾道ミサイルの発射などを行っています。今回の訓練で展開された超大型砲に戦術核をミサイルに装填されるものと考えられます。

 

北朝鮮による核開発と運搬手段の獲得が進んでいるのは事実です。核の廃絶を目指す我々としては、何としても国家間の緊張緩和に立ち戻るべきです。核兵器を撃ち合い互いに殺しあうほどの理由が、北東アジアの国々に存在するのでしょうか。少なくとも国民や市民同士ではそのような憎しみは存在しません。一部の軍拡勢力による暴走が生み出し続ける米、日、韓による対中国、対北朝鮮の軍事対決エスカレーションを止めなければなりません。私たち日本人としては、この日本の軍拡をとめる国際的使命があるでしょう。(了)

 

 

金正恩氏「まるで狙撃手の射撃」と満悦

 「戦術核」使用を想定する超大型砲訓練を自ら指導 

(msn.com)

 

【ソウル=木下大資】北朝鮮メディアは23日、戦術核による反撃を想定した訓練が22日に行われ、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記が現地で指導したと伝えた。「核の引き金」と名付けた核兵器運用計画に沿って実施する初の総合訓練という。

北朝鮮国旗

北朝鮮国旗© 東京新聞 提供

 

 朝鮮中央通信は、4両の移動式発射台から一斉にミサイルが発射される場面の写真を公開した。使用したのは、米韓が「KN25」と呼ぶ口径600ミリの超大型放射砲で、352キロ先の島に命中したと主張。北朝鮮は戦術核の搭載手段と位置付けており、正恩氏は「狙撃手の射撃のようだ」と称賛したという。

 

 韓国軍は22日、平壌(ピョンヤン)付近から複数の弾道ミサイルが発射されたと発表していた。北朝鮮発表の352キロは、米韓が合同演習を実施中の空軍基地がある韓国の群山(グンサン)までの距離が念頭にあるとみられる。

 

 一方、韓国軍合同参謀本部は23日、北朝鮮の発表には誇張が含まれると指摘。「偵察衛星打ち上げの遅れを埋め合わせる目的もある」との見解を示した。

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