【Bunnmei の一言】

アフガニスタン東部を中心に活動するISホラサン州が突然モスクワのコンサートホールで残虐な事件を起こしました。プーチンはあたかもウクライナが関与したと言わんばかりの態度です。なぞが多い悲劇的事件です。

 

一般的に言えば、プーチン政権はロシア内のイスラム教徒との関係を維持することを試みてきました。例えば、プーチン政権はイスラム教の祝日を公式の休日として認めるなど、宗教的な多様性を尊重する政策を採用しています。また、ロシア政府はイスラム教の指導者と対話し、宗教的な対話や協力を促進する取り組みを行ってきました。ロシア正教会一辺倒で他宗教を追い詰めるという話は少なかったと思われます。

 

しかし一方で、一部の政策や行動はイスラム教徒との関係を悪化させる可能性があります。例えば、プーチン政府はチェチェン共和国などのイスラム教徒が多数を占める地域で、対テロ作戦として過剰な武力行使や人権侵害を行うことがあります。また、イスラム教徒の間で宗教的過激主義が増加しているという「懸念」をロシア政権は強めており、政府はそれに対処するための対策を実施していますが、その過程でイスラム教徒に対する対決姿勢をとることが多くなったとの指摘もあります。

 

今回の事件は、このイスラム国ホラサン州と言う組織の内部事情を強く反映したこともあり得ます。

 

ISホラサン州は、アフガニスタン東部を中心に活動するイスラム「過激派」組織です。近年、アフガニスタン政府軍やタリバンとの戦闘で弱体化しており、その影響力を失いつつありました。今回のモスクワ、コンサートホールテロは、ISホラサン州の存在感を誇示し、依然として戦闘能力を維持していることをアピールする意図があったと考えられます。

 

同組織はまちがいなくロシアを敵対視しており、過去にもロシア関連施設を標的としたテロ事件を起こしています。今回のテロは、ロシアに対する敵対姿勢を改めて表明する目的もあったと考えられます。

 

さらにISホラサン州は、シリア内戦にも関与しており、シリア政府軍やロシア軍を標的としたテロ事件を起こしています。今回のテロは、シリア内戦への関与継続を表明する目的もあったと考えられます。戦争長期化で衰退してきたロシア社会の混乱を狙ったと、とりあえず考えられます。とすれば、後続のテロのもありうるかもしれません。

同組織のウクライナとの関係については現在は不明です。(了)

 

 

モスクワ銃撃テロ過激派組織「イスラム国」が新たに犯行声明を発表

 (asahi.co.jp)

モスクワ銃撃テロ過激派組織「イスラム国」が新たに犯行声明を発表

03/24 05:20 配信の

 

モスクワ郊外でのテロ事件を巡り、プーチン大統領がウクライナの関与を示唆する一方、過激派組織イスラム国が改めて犯行声明を発表しました。

ロシアメディアは、イスラム国が新たな犯行声明を発表したと報じました。

犯行声明には襲撃を実行した4人の写真が添付され、機関銃や火炎瓶で武装していたことや焼夷(しょうい)弾を使って放火したなどと犯行の詳細が記されているということです。

声明を出したのは、イラン東部やアフガニスタンを拠点とするイスラム国でも最も残忍な集団として知られる「イスラム国ホラサン州」です。

イスラム国ホラサン州はおよそ2年前からロシアがイスラム教徒を日常的に抑圧する行為に加担しているとして敵視し、プーチン大統領を批判していたということです。

また、ロシアの独立系メディアはテロリストが拘束された時とされる映像と犯行声明の写真の服装が一致していると報じています。

 

 

 

「イスラム国」が犯したテロなのに

…ウクライナに銃を向けるプーチン大統領 

: 日本•国際 : hankyoreh japan (hani.co.kr)

 

ロシア非常事態省の職員たちが22日(現地時間)、モスクワ州クラスノゴルスクのコンサートホール「クロッカス・シティ・ホール」で、テロと爆発後に発生した残骸を片付けている=クラスノゴルスク/タス通信・聯合ニュース

 

 

 少なくとも280人余りの死傷者を出したロシア・モスクワのコンサートホールでの銃乱射テロは、ウラジーミル・プーチン大統領が実権を握った1999年以来、ロシアで発生した最も悲劇的な事件の一つとして記録される見通しだ。テロ発生直後、イスラム教スンニ派の過激派武装勢力のイスラム国(IS)の分派「イスラム国ホラサン州」が、自らの犯行だと発表したにもかかわらず、ロシア政府がウクライナ連携説に触れたことで、ウクライナ戦争の行方にも影響を及ぼすものとみられる。

 

 22日(現地時間)金曜日夕方、モスクワ州近郊のクラスノゴルスクのコンサートホール「クロッカス・シティ・ホール」で、ロックグループ「ピクニック」のコンサートを見るために集まった6200人余りを対象にした残酷なテロが発生し、少なくとも133人が死亡し150人余りが負傷したと、ロシアのタス通信が24日付で報道した。ロシアの調査委員会は、モスクワから南西に約300キロメートル離れた国境地域のブリャンスクで、主要容疑者4人を検挙するなど、容疑者11人を捕らえて調査していると明らかにした。主要容疑者らの逃走車からは、サイガ狩り用の小銃、マカロフ拳銃、カラシニコフ突撃小銃や弾倉、タジキスタンのパスポートなどが見つかった。ロシア国営放送「RT」が公開した尋問映像によると、ある容疑者は事件直後の実況見分で50万ルーブル(約80万円)を受け取ることを約束して犯行を行っており、事件後に100万ルーブル(約160万円)をさらに提案されたと供述した。捜査当局は容疑者らの国籍は明らかにせず、いずれもロシアの市民権を持っていないという事実だけを確認した。

 

 事件直後、イスラム国ホラサン州はテレグラムを通じて「(我々が)モスクワ近郊で開かれた大型のイベントを攻撃した」と明らかにした。ロシアは2015年、シリア内戦への介入などで、イスラム国の主要攻撃対象国に挙げられてきた。しかしプーチン大統領はテロ発生から19時間後の23日午後に行った国民向け演説で、イスラム国については言及せず、「彼らはウクライナ方向に逃走したが、初期情報によればウクライナ側に国境を越えられる窓口が用意されていたという」とし、「ウクライナ背後説」を前面に押し出した。ロシア連邦保安局(FSB)も「容疑者らがロシアとウクライナの国境を越えようとした。ウクライナ側と関連接触をした」と主張し、ロシア下院のレオニード・スルツキー国際関係委員長は「残酷なキーウ政権がテロリストを雇用したと信じるに足る理由がある」と話した。 これに対しウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は「モスクワで起きたことでプーチン大統領などクズたちはすべて人のせいにしようとする」として、(関与説を)強く否定した。今月初め、ロシア側にテロの可能性を伝えたと明らかにした米情報当局も、「ウクライナは全く関与していない」(エイドリアン・ワトソン米国家安全保障会議報道官)と強調した。

 

 ロシアは、今回の事件を3年目に入ったウクライナ侵攻戦争で攻撃を強化するための口実に利用する可能性が高い。ロシアは24日、ウクライナの首都キーウと西部の都市リビウにミサイル数十発を発射した。米CNNは「(プーチン大統領は)この瞬間を利用してウクライナ戦争を自国民の安全に対するより強く差し迫った脅威として正当化するだろう」と報じた。

 

 このようなウクライナ非難には、ウクライナ戦争に没頭するあまり、内部の対テロ活動への対策がおろそかになったとしてプーチン大統領の責任を問う声の拡散を防ごうとする意図もあるようだ。米ハーバード大学デービスセンターのベラ・ミロノワ研究員は英フィナンシャルタイムズに、イスラム国ホラサン州がモスクワを攻撃した理由は「目標物にしやすかったため」だと指摘した。

 

 米紙ニューヨークタイムズは、大統領選挙(3月15~17日)で5期目の当選を果たし、「30年政権」を確定してから1週間も経たないうちに発生したテロ攻撃が、プーチン大統領にとって悪材料として働くとみている。ロシアの政治学者、アレクサンドル・キネフ氏は「選挙では自信のある勝利を見せたが、突然このような屈辱に遭った」とし、「プーチンが前面に掲げたのが『秩序の復元』だったため、ロシア人は衝撃に包まれた」と語った。ただし、プーチン大統領が2000年以降の大型テロをむしろ内部掌握の機会にしてきたため、今回も同様の方向に動き、内部での批判を防ぐ可能性が高い。

キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1133629.html韓国語原文入力:2024-03-24 22:10