【管理人の一言】

世界の軍需市場は拡大しており、大手軍事関連企業100社による武器および軍事サービスの2021年売上高は、前年比1.9%増の5920億ドル(約80兆円)に達しました。別な統計では世界の軍需市場規模は拡大傾向にあり、2022年には約2兆ドルに達すると推定されています。これは、2010年の約1兆ドルから倍増したことになります。この中で日本の軍事品輸出も増加しています。

 

大手軍事関連企業100社の武器販売額は約80兆円、7年連続で増加 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

 

日本の軍需産業がまさに垂涎の的でありながら手が出せなかった、この巨大市場。政府は、ウクライナ戦争のどさくさに紛れて巨額予算を軍需に振り分けました。そして、他方では輸出相手を探し同時に武器輸出の枠を広げることを目指しています。

 

ライセンス生産した装備は部品だけ輸出できたが、今では装備の特許保有国に限って完成品を輸出できるよう規定を変えるなど、日本政府は方針を転換し、ミサイルなど「殺傷能力のある武器」の輸出を解禁しました。防衛力強化を掲げ、5年間で43兆円という破格の予算が組まれております。そのため、かつて撤退や廃業が進んできた防衛産業に大きな変化が起きています。新規参入企業も増えており、新たな日本版軍産複合体――軍と政治家・防衛省・企業・大学など――の結集があわただしく進められています。

 

日本の防衛産業は、戦前から受け継いだ世界有数の技術力を持っています。しかし、国民世論の反対で武器輸出は事実上不可能であり、そのため軍需産業は存続の危機に直面していました。それが一転して、政府の支援により、新規参入が相次いでいます。日本の軍部の靖国参拝に見る「戦う軍隊」づくりと相まって「殺戮兵器の開発と販売」に急傾斜しています。(了)

 

 

 

「韓国が刺激」防衛産業輸出規制解いた日本の進撃、韓国パートナーも狙う

(1) (msn.com)

 

日本が英国・イタリアと共同開発する次期戦闘機のイメージ。[写真 日本防衛省]

日本が英国・イタリアと共同開発する次期戦闘機のイメージ。[写真 日本防衛省]© 中央日報 提供

 

 

日本が世界の防衛産業市場で存在感を表わし始めた。日本政府と防衛産業企業が海外防衛産業見本市に参加してセールスに出るなど官民が有機的に動く姿だ。一部では「ウクライナ戦争後に急成長した世界の防衛産業市場の新たなダークホース」という評価まで出ているほどだ。

 

実際に日本は米国に日本製パトリオット迎撃ミサイルを輸出することにし、武器輸入大国であるインドと軍艦用通信アンテナ輸出で詰めの調整中だ。また、英国・イタリアと共同開発する次期戦闘機も輸出する態勢だ。輸出に成功すれば第2次世界大戦敗戦後に日本が輸出する初めての攻撃用武器となる。

 

日本が強みを持っている素材・部品・装備を中心に輸出拡大戦略を展開するだろうという見方も出ている。一部では「最近武器輸出を急激に伸ばした韓国を狙った動き」と指摘する。今後韓日が防衛産業輸出で競争する構図になるかもしれないという話だ。

 

◇輸出の窓口たたく日本

最も目に付く変化は、各国の受注競争が激しい世界の主要防衛産業見本市での動きだ。日本の防衛省が主導し昨年から日本の防衛産業事業者が本格的に見本市に顔を出し始めた。

 

昨年9月に英ロンドンで開かれた欧州最大の防衛産業見本市「DSEI」には8社が、続いて昨年11月にオーストラリアのシドニーで開催された海洋分野の防衛産業見本市「インドパシフィック」には10社が参加した。防衛省は先月開かれたアジア最大規模の航空宇宙分野の防衛産業見本市「シンガポールエアショー」にも初めてブースを設けたが、過去最大となる13社が参加し関係者を驚かせた。

 

日本の防衛産業業界の看板である川崎重工業は、P1哨戒機とC2輸送機など自国製軍用機モデルを展示して目を引いた。NECの防空レーダー、エッジコーティックスの人工知能(AI)半導体のような先端製品も多く展示された。また、旭金属工業、クリモト、タカギスチールなどが航空・宇宙部品の見本を公開したりもした。

 

見本市に参加した韓国の関係者らは「韓国航空宇宙産業(KAI)を除けば事実上参加企業がなかった韓国と対照的な姿だった」と当時の雰囲気を伝えた。

 

◇「韓国の防衛産業の実績が刺激」

このように日本の防衛産業企業が積極的に営業に出た背景には、「日本政府の防衛産業輸出への意志が強く作用している」という見方が出ている。

 

これまで日本の防衛産業企業は輸出せず自衛隊にだけ武器と装備を納品してきた。そうするうちに欧米や韓国の防衛産業事業者と比較して採算性が落ちてきた。これはこの20年間に日本企業100社以上が防衛産業事業から手を引いた理由でもある。日本政府内でも「防衛産業の生態系が崩れ防衛力低下につながりかねない」という警告が絶えなかった。

 

ウクライナ戦争後に日増しに大きくなる世界の防衛産業市場の変化も日本の立場では気になる部分だった。日本の対外貿易で割合が高いアジア・オセアニア地域の場合、2022年の軍備支出が前年比2.7%増えた5750億ドルに達するほど巨大だった。

 

一言で「対内外的に防衛産業輸出にドライブをかけるほかない状況」というのが日本内部の見解だ。これと関連しある日本政府消息筋は「この数年間にポーランドと東南アジアで頭角を現わす韓国の防衛産業輸出実績が日本を刺激した側面もある。日本与党内では、『うかうかしていては指をくわえて見ているだけになりかねない』という危機感が広まっている」と話した。

 

日本の防衛産業企業のシンガポールエアショー参加を総括した防衛装備庁責任者の発言もこれと無関係ではない。府川秀樹国際装備企画室長は、米軍事専門メディアのディフェンスニュースに「日本の防衛産業企業が世界市場に進出する機会は多いが、問題は外国企業のような(輸出)経験がないということ。(見本市を通じ)日本の優秀な防衛産業技術を見せたい」との考えを明らかにした。

 

◇元祖の国の米国にPAC輸出

注目すべき輸出実績も出始めた。三菱重工業がライセンス生産するパトリオットミサイル(PAC2、PAC3)を米国に輸出することにしたのが代表的だ。米国がウクライナにパトリオットを支援し発生した不足分を埋め合わせるための措置だ。

このため日本政府は昨年12月に武器輸出ガイドラインである「防衛装備移転3原則」の運用指針を改正した。これまではライセンス生産した装備は部品だけ輸出できたが装備の特許保有国に限って完成品を輸出できるよう規定を変えた。