阿部 治正

 

昨日の、千葉県当局・熊谷俊人知事に対する「国際武器見本市への幕張メッセの貸し出しはやめろ」という趣旨の要請行動についてのご報告です。写真は、左から社民党千葉県連合代表の工藤鈴子さん、市民ネットワーク千葉県の川口絵未さん、新社会党千葉県本部委員長の宮川敏一さん、アイ女性会議千葉県本部代表の加藤マリ子さん、そして県職員です。

 

千葉県当局の答えは、「展示される武器は防衛装備庁が合法なものと言っている、地方自治法と幕張メッセの設置管理条例にも違反していない」「法令に違反していない以上貸出すことには問題ない」「今年の5月に開催するかどうかは指定管理者から聞いていないのでわからない」の一点張り。

これに対して私たちは、「平和憲法の精神にも、千葉県が制定した非核都市宣言の精神にも明確に反している」し、「幕張メッセの設置管理条例が謳う“公の…秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるとき”に該当する」と反論。

 

またそもそも、市民社会のど真ん中の、子ども関連のイベントなども頻繁に開かれる幕張メッセで、戦車やミサイルや戦闘機やドローンなどの展示を行い、武器の宣伝と商談を公然と行う行事を開催するなどということは、多くの千葉県民が抱く戦争を憎み平和を求める感情と真逆の行為、それを激しく逆なでする行為。会場を貸しだすということは、千葉県知事が死の商人たちのビジネスを積極的にサポートするという意思表示以外の何ものでもない等々と批判。

 

私自身は、おおむね以下の点をDSEI japan が抱える問題と考えており、そうした立場から意見を述べました。

① 昨年のこの要請の場で、県職員は、メッセで展示されているのは、日本の法律で述べられている防衛装備品であって、大量破壊兵器ではとないと言った。しかしガザでは大量破壊兵器ではない通常兵器によってすでに原爆何発分もの破壊が行われている。その事を熊谷知事はどう考えるのか。単なる通常兵器だ、ただの展示会だと言って済まされる問題ではない。

② ガザのような現実の戦場が武器の実践的な動的な展示場、幕張メッセでの会場展示は静的な解説的な展示場。両方相俟って、武器のプレゼンテーションの場になっている。そして最終的には武器の取引が成立して、市民に対して使われたり、国同士で使われたりしている。熊谷知事によるメッセの貸し出しは、そのサイクルの重要な一部を占めている。その事につうてどう考えるか。

③ かつての武器輸出三原則ばかりではなく、現在の防衛装備移転原則にも著しく反している。何故なら、幕張メッセでは日本が関知し得ない第三国同士、例えばイスラエルとウクライナが武器取引の交渉をして、それが成立すれば武器の引き取りが行われる。そしてそれが戦場で使われる。DSEIはそのためのプラットフォームとなっている。熊谷知事はこのことを深刻に受け止めなければならない。

④ DSEI japan にイスラエルの軍需企業が参加をしてきたことは、千葉県当局にとって特筆すべき事。何故なら、イスラエルの兵器はハイテクを駆使した市場で人気のある商品というだけでなく、これからの戦争の大きなフィールドになるといわれている「イスラム都市」で高い殺傷・破壊力が評判になっている。その意味でも、現在行われているガザでの住民虐殺が成果だと誇示されて大きなセールスマンポイントになっている。こうした問題をどう考えるのか。

しれしそれでも、当局の側の「貸し出しは問題なし」の姿勢は変わりませんでした。熊谷俊人県知事は、もう完全に「死の商人たち」の御用聞きに成り下がってしまったのでしょうか。

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