【管理人の一言】
EU農民の反乱が大規模に発生しています。
独仏両国の農民の怒りは、EUのグローバリズムに対してであり、廉価な農産物の流入に対して対価としての補助金を農家は求めています。EUでは、農業分野で自由貿易が推進されており、EU域外からの安価な農産物の輸入が増加しています。これにより、EU域内の農家は、自国産の農産物が価格競争で劣勢に立たされています。
フランスとドイツの農家は、この状況に反発し、保護主義的な農業政策を求めています。具体的には、EU域外からの農産物に対する関税の引き上げや、EU域内の農産物に対する補助金の増額などの要求をしています。両国農民の闘いは、同じ目的と要求を共有しています。
極右や反EU派にとって、この情勢は有利と言えます。
両国農民の抗議活動は、EUのグローバリズムやEU統合への批判を高めることになり、極右や反EU派の支持を拡大する可能性があります。また、極右や反EU派は、この抗議活動を支援することで、農民の支持を獲得し、政治的な影響力を拡大しようとしています。具体的には、極右政党のフランス国民連合(RN)やドイツのドイツのための選択肢(AfD)は、両国農民の抗議活動を支援する姿勢を表明しています。
農民の闘いには、安い海外品の輸入問題以外に、EUの環境規制の厳しさも関係しています。EUでは、環境保護の観点から、農業分野でも厳しい規制が課されています。これらの規制は、農家の生産コストを押し上げ、経営を圧迫しています。具体的には、以下のような規制が挙げられます。
農薬や化学肥料の使用規制
EUでは、農薬や化学肥料の使用を規制しており、農家は、環境に配慮した農法への転換を余儀なくされています。このため、農家の生産コストが増加しています。
畜産の環境規制
EUでは、畜産の環境への影響を抑制するため、畜産の規制を強化しています。このため、畜産農家は、生産方法の変更や設備の投資が必要となり、経営を圧迫しています。
有機農業の推進
EUでは、有機農業の推進を図っており、有機農産物に対する補助金を増額しています。このため、有機農法に転換する農家が増えていますが、有機農法は、従来の農法よりも生産コストが高いため、経営を圧迫する可能性があります。
農家は、これらの規制によって、生産コストが高騰し、経営が苦しくなっていると訴えています。フランスの農家は、EUの環境規制を「農業殺し」と批判し、規制の緩和を求めています。ドイツの農家も、環境規制によって、農業の国際競争力が低下していると指摘し、規制の見直しを求めています。EUの環境規制は、農業の持続可能性を高めるという点で意義がありますが、農家の経営を圧迫する副作用も生じています。
しかしながら、極右政党のような農民の不満を利用してこのような保護貿易主義への傾斜は、決して農民や国民のためになるものではありません。ましてや環境保護政策の最先端にいるEU政策の転覆は決して独仏の農民・国民のためになるはずはありません。食料自給率の維持のためにも、農民に対する保護、補助金などの対応が欠かせないと考えられます。(了)
農民はヨーロッパ中で反乱を起こしており、フランスは彼らの動員に圧倒されている
チャーリー・キンバー
2024年 2月 06日 火曜日
フランス全土で、農民たちはここ数年、最も組織的で過激な抗議行動の中で立ち上がった。
フランス、ドイツ、ポーランド、ベルギー、スペイン、オランダ、ルーマニア、イタリア、ギリシャでは、農民がトラクターで道路を封鎖したり、公共の建物の近くに糞尿を投棄したり、警察署に液体を撒き散らしたり、羊を放牧して町を閉鎖したりするなどの戦術で抗議している。
一部の国では、極右のスローガンが強く支配的です。
他の国では、それははるかに複雑であり、左翼は運動の一部を形成し、勝利するために挑戦することができます。
ドイツでは、極右政党AfDが動員の中で強いが、一部の農民もAfDに対する大規模な抗議行動に加わった。
どこの農家も、借金に追われ、強力な小売業者や農薬会社に圧迫され、異常気象に打ちのめされ、外国からの輸入品に頼らざるを得ず、大手企業に有利な補助金制度に頼らざるを得ないと話している。
最大かつ最も持続的な反乱はフランスで起きている。何万人もの農民が数日間、高速道路を封鎖している。
政府は、この絶大な民衆運動を非難したり、混乱を引き起こすストライキ参加者や抗議者に対して通常使っている機動隊を解き放つことを恐れた。・・・・
ヨーロッパで農民が反乱を起こしている。ドイツでもフランスでも、農民がトラクターに乗って高速道路などを塞ぎ、交通を麻痺させている。政府に対する抗議の意思表明である。ヨーロッパで今、何が起こっているのか。・・・・