【管理人の一言】

財務省の「法人企業統計」によると、2023年4-6月期の全産業(金融・保険業を除く)の営業利益は16兆4,661億円、経常利益は23兆8,230億円と、いずれも過去最高を更新しました。

 

これは、新型コロナウイルスの感染拡大からの経済活動の正常化や、原材料価格の高騰による価格転嫁が進んだことが要因と考えられます。つまりインフレ利得です。インフレは大企業にとって消費者からの追加収奪となっているのです。労働者が租税つまり所得税や消費税によって追加収奪されるばかりではなく、インフレによっても追加収奪がなされるのです。

 

具体的には、製造業では、半導体や自動車などの需要が回復(というよりも価格の上昇)したことで、営業利益と経常利益が大幅に増加しました。また、非製造業では、卸売・小売業やサービス業などの営業利益と経常利益も増加しました。

 

なお、2023年度の全産業(金融・保険業を除く)の営業利益と経常利益は、それぞれ20兆円と30兆円を超える見通しです。これは、2022年度実績の17.5兆円と23.8兆円を大幅に上回る規模です。「インフレ効果」はてき面に企業利益に貢献し、たほう労働者は実質所得を喪失したのでした。

 

一方、労働者の賃金は下記記事に指摘されているように、18か月減少しています。それに先行する30年間も低迷で減少すらしてきて、ここに来て一段と賃金が絶対的に低下しているのです。言うまでもなくその理由は、近年のインフレにより実質賃金の低下が加速しているのです。

 

岸田首相らの「経済対策」、つまり意味不明の減税や増税議論は、凡てまやかしです。

当面の措置として、反インフレ効果のある消費税減税が最低限必要です。(了)

 

 

 

 

9月の実質賃金2.4%減、18カ月連続マイナス-物価高に追いつかず

(Bloomberg) - Yahoo!ニュース