自衛官募集事情にみる若者の強い忌避感

【ワーカーズ五月一日号より転載】

 

 

陸上自衛隊写真ギャラリー に対する画像結果

 

 久しぶりに来られました。びっくりでした。七年ぶりぐらいですかね。

 「自衛隊の募集説明会場ここですか?」と若い男性、スーツ姿で凛々しい感じ。

 実は隣のビルが「自衛隊員募集所」。看板の位置が紛らわしく、よく勘違いした方が「募集所は何階ですか?」と窓口に来たものです。母親付き添いの男性や女性も。かれらはあくまで「就職活動の一環」だとすぐわかります。しかし、しばらく来なくなって忘れかけていたのに。

■ 思えばイラク・南スーダンPKOや集団的自衛権承認やら新安保法成立とつながり・・・。自衛隊希望者のみなさんも「戦争」の匂いを嗅ぎつけてパッタリと途絶していたのでしょう。若者の保守化は事実でしょうが決して反動化したり軍国主義が芽生えているわけではありません。みんな本能的に戦争は嫌いなはず。騒ぐのは老人政治家ばかり。

 安倍晋三ら反動的政治家による「中国脅威」の煽りは、実は自衛隊募集の足を引っ張りますし、ウクライナでの残忍な真実の戦争報道は、今更ながら人間と相いれないことを映し出しています。

■ しかし、自衛隊は日米軍事同盟の強化という政治的流れの中でいよいよ「実戦体制」を作ろうとしています。陸上自衛隊の作戦や部隊運用の原則を定めた教範「野外令」について、日米共同作戦に関する従来の記述「我が国への侵略を排除するため」との文言が2017年の改訂で削除されました。「台湾有事」「東シナ海有事」を想定したものでしょう。

 南西諸島は奄美大島や石垣島などに住民の抵抗のなか自衛隊の前線基地(日・米合同利用)が作られつつあります。「共同通信」にスクープ(去年12月)された日米共同作戦計画によれば「遠征前方基地作戦(EABO)」も含まれます。この作戦は「敵(中国?)」のミサイル射程距離内に入り込み島々に拠点を建設するという、軍人の激しい損害を前提にしなければならないものです。また多数の一般市民(現実には南西諸島の住民)を作戦に巻き込む可能性あります。このような野蛮な戦術をプランニングしたのは米海兵隊ですが、自衛隊が先鋒部隊となると私は想定しています。

■ 凛々しい彼に募集会場を教えました。知らないといえばよかったかもしれません。

 写真は私の選んだ「特選・自衛隊員募集ポスター」アニメ系かなり多いが、死にますかお国のために。殺しますかお国のために?

 ウクライナ戦争が発生したが危機をあおる勢力の下心を冷静に知ろう。反動政治家たちの野心が見え見えです。彼らのお国って何?天皇、 安倍晋三 、岸田 、財務官僚 、財界、誰、だれ、だれ?少なくとも国民ではないね。平和維持の政治と外交の大切さを主張しよう。(あ)