阿部文明

 

公開学習講演会「バイオマス発電の現状と問題点」 🌲🌳

 

主催:NPOきらきら発電市民共同発電所 NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク理事長:: 泊 みゆきさんの講演。

★なかなか専門的なお話。💦膨大な図表や写真駆使した講演でした。以下、私の理解しえた範囲でご報告します。

 

【主要なポイント】👍

➊バイオマスはカーボンニュートラルではないと考えた方がよい。

➋温暖化対策効果が低く、エネルギー自給にならず地域経 済への恩恵が低い輸入バイオマスは、賦課金(FIT)の対象として適していない(外すべき)。

❸仙台港・住友商事。角田市H.I.Sのバイオマスは、二酸化炭素大量排出のうえ、原料輸入先の森林伐採につながる。

➍G-bio石巻須江バイオマス火力発電所。ポンガミアというマメ科植物をモザンビークで栽培し、日本に輸入する計画は非FITであり、ゆえに採算とれるはずがない。自信もって反対運動進めてほしい。

 

【基本的な考え】

燃焼時に発生する熱量あたりのCO2排出量は、石炭よりも木質バイオマスの方が多い。 CO2吸収による将来的な恩恵は、当面排出される燃焼時のCO2に応じて、割り引いて考 えるべき。燃焼は一瞬、再生は数十年以上かかる。燃焼時に放出されるものと同等の量のCO2を吸収する木を植えるという要件が前提だが、その検証を要求する政策がない(森林減少になる恐れ)。

植樹による森林全体の成長率と同等の比率で木を燃焼させることで、森林内の炭素量 を「一定に保つ」ことは理論的に可能だが、大気中のCO2 は、木を燃やさなかった場合と比較した場 合、「常に多くなる」(つまり森林保護にしくはなし)。木質ペレットを製造するために、多数の木が(伐採され)丸ごと利用されているのが実情だ。自然森林の廃材はいずれ腐敗するが、CO2は大気中に放出されるだけでなく土壌にも吸収される。

木質ペレットの加工・輸送もCO2排出量として加算されるべきである。バイオマス生産のために移動や除去を余儀なくされる植物や土壌に元々含まれていた 炭素についても考慮されるべき。この量を、バイオマスを使用しながら復元するには、 数十年から100年、もしくはそれ以上の時間がかかる 出所:ウィリアム・ムーマウ 元IPCC報告執筆者からのビデオメッセージ「バイオマスエネルギーがカーボンニュートラ ルではない10の理由」 https://www.eubioenergy.com/.../bioenergy-is-not-carbon.../ https://biomassinfo.jp/ngo

 

【今後の方向性】

温暖化対策効果が低く、エネルギー自給にならず地域経 済への恩恵が低い輸入バイオマスは、(国民負担で推進すべきではない、ゆえに)賦課金FITの対象から外す。太陽光・風力発電の価格低下(2円~8円/kWh)が著しい。一方、バイオマス発電の価格低下には限界(木材の運搬加工に費用が掛かる)がある。

★国産バイオマスは、資源のカスケード利用(木材など価値の高い順に可能な限り長く繰り返して徹底利用する)の原則のもと、熱利用、熱電併給(コジェネレーション)、廃棄物発電への混焼など。 熱利用においても、高い温度帯を需要に合わせて供給で きるバイオマスの特徴を生かした産業用などへの誘導 、エネルギー・サービス会社、熱供給会社の育成が重要。地域住民との十分なコミュニケーションが重要。 持続可能な林産業の発展と両輪で。(以上、泊さんの資料より抜粋)

 

■私的な感想。つまりは、バイオマス発電・熱利用は、かつてわれわれが見学などに行った山林地域での間伐材利用による小規模のものが合理的。地産地消で、地元にエネルギーと雇用を創り出す。あくまで、森林保護が前提。森を切り開いてのメガソーラーなどはNGだ。屋根載せ推奨💖