File31:Target (自称)伊達直人 | ソクラテス純情派<格言にrealityを>

ソクラテス純情派<格言にrealityを>

ー現代の著名人やニュースな人々に「善く生きる」という観点から、由緒正しい様々な格言等を引用し、独断的なコメントで自己満足を図る

ソクラテス純情派<格言にrealityを> プロフィール: 「巨人の星」や「明日のジョー」と並ぶ、梶原一騎 の代表作が「タイガーマスク」。 孤児院で育った伊達直人は、悪役レスラー養成機関「虎の穴」からスカウトされる。厳しい訓練を受け、レスラーとしてデビュー後、孤児院へ寄付を始める。その後正統派レスラーに変身し、虎の穴からの刺客との壮絶な闘いが続く。


Message-「豊かさからの施しはいらない。あなた自身が傷つくまで与えてほしい」 by マザー・テレサ
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 年明け早々、思わぬ社会現象だ。全国の児童養護施設へ、ランドセル等の贈り物が後を絶たない。ネットでいう「お祭り」の様相を呈してきた。昨年のクリスマス、前橋の施設に届いたランドセルがスタートだった。その後は「伊達直人」を中心に、「桃太郎」「坂本龍馬」等、匿名の空間で善意と遊び感覚が入り混じっている。


 マザー・テレサのインドにおける献身的活動は世界中に感銘を与え、ノーベル平和賞も受賞した。その賞金で「パンはいくつ買えますか」と尋ねた話は有名だ。彼女の言葉は心打つものばかりだが、特に印象深いのがこのメッセージだ。中途半端な善意を吹き飛ばしてしまう。貧しい人々こそ偉大である、という彼女の信念は揺るがない。


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 空腹のため瀕死の状態にありながら一言も不満を言わず、最後に「Thank you」とニッコリ笑って亡くなった女性。空腹に耐えながら3日間砂糖を我慢し、他の子供達のためにとテレサに手渡した4歳の男の子。本当の優しさとは何か。

 残り物を分け与えることは、貧しい人々の尊厳に敬意を払っていない、と彼女は主張する。彼らに一番必要なのは、哀れみではなく愛なのだ、と。


 「祭り」の後の寂しさは、とりわけ身にしみる。全国の施設に暮らす3万人以上の児童は、これからも厳しい生活が続く。しかし希望はある。「愛の反対は憎しみではなく無関心です」という言葉も残したマザー・テレサ。多くの人が施設の現状に関心を持った。政府をあてにせず、自分たちで行動する人達も増えてきた。国民性から匿名は仕方ないだろう。「恥の文化」は、寄付した人の名前を通りや建物につける欧米文化より、奥が深い。

 

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 さて、豊かさからの施しはいらないとマザー・テレサは言うが・・・。今回は裕福な人からお年玉を出し合った子供達まで様々だ。自分が誰かに必要とされている事に、純粋な喜びを感じている。ボランティア初心者として、大目にみてもらおう。

「貧しい人達は、私達が与えるよりもはるかに多くを、私達に与えてくれる」

 マザー・テレサはどこまでも深い。