プロフィール:1975年生まれ、本名宮澤正之。日本の魚類学者、タレント、イラストレーター。父は囲碁棋士。高校生時代、「TVチャンピオン、全国魚選手権」で準優勝、その後5連覇を達成。現在東京海洋大学客員准教授を務める。
Message-「現実は常に公式からはみ出す」 by ジャン・アンリ・ファーブル(1823~1915)
NHK朝のインタビューでも、さかな君はさかな君のままだった。環境省により絶滅種に指定されていたクニマス
。驚異的な知識と好奇心で、その確認に大きく貢献した。60年ぶりに生息が確認されたらしい。類まれな魚に対する情熱で、公式を超えた発見をした。
中学時代吹奏楽を始めたのは、魚の入った「水槽学」と勘違いしたらしい。そのためサクソフォン、バスクラリネットの演奏が得意だ。
このメッセージは「昆虫記」 で世界的に有名なファーブル の言葉だ。彼はフンコロガシに魅せられた。「昆虫記」第一巻はフンコロガシで始まり、再びフンコロガシの子育てに追記している。また彼は「狩りバチ」の観察により、ダーウィンの進化論に痛烈な批判を行った。彼もまた、その熱意と信念で、常識や公式をはみ出した発見をしている。
「一分間さえ休む暇のないときほど、私にとって幸せなことはない」
これも彼が残した言葉だ。平凡な私から見ると、具体的な人生の目的を見つけた人は羨ましい。
先週6年前の教え子に頼んで、生徒たちの前で話をしてもらった。彼女は1年次40人中38番。ところが2年になって、専門教科の学習で「材質の強度」に大変興味を持った。かわいい女の子の関心が、ファッションや男の子ではなく、材質の強度だ。推薦で国立大学に入学し、その後九州大学大学院に進学、現在は「材質の熱伝導」について研究中。なんと来年からドクターコースへの進学を決めたらしい。「卒業するときは27才、奨学金 の借金は700万です。つきあう時はちゃんと言わなくちゃいけませんよね」
あまねく子供手当てを配り、農家の戸別補償 をすることが選挙対策の公式かもしれない。だが大学教育、研究者への投資は、ちゃちな公式をはるかに超えて、将来日本社会へ大きく寄与してくれるはずだ。