File29:Target さかなクン | ソクラテス純情派<格言にrealityを>

ソクラテス純情派<格言にrealityを>

ー現代の著名人やニュースな人々に「善く生きる」という観点から、由緒正しい様々な格言等を引用し、独断的なコメントで自己満足を図る

ソクラテス純情派<格言にrealityを> プロフィール:1975年生まれ、本名宮澤正之。日本の魚類学者、タレント、イラストレーター。父は囲碁棋士。高校生時代、「TVチャンピオン、全国魚選手権」で準優勝、その後5連覇を達成。現在東京海洋大学客員准教授を務める。


Message-「現実は常に公式からはみ出す」  by ジャン・アンリ・ファーブル(1823~1915)
ソクラテス純情派<格言にrealityを>
 NHK朝のインタビューでも、さかな君はさかな君のままだった。環境省により絶滅種に指定されていたクニマス 。驚異的な知識と好奇心で、その確認に大きく貢献した。60年ぶりに生息が確認されたらしい。類まれな魚に対する情熱で、公式を超えた発見をした。

 中学時代吹奏楽を始めたのは、魚の入った「水槽学」と勘違いしたらしい。そのためサクソフォン、バスクラリネットの演奏が得意だ。


ソクラテス純情派<格言にrealityを>

 このメッセージは「昆虫記」 で世界的に有名なファーブル の言葉だ。彼はフンコロガシに魅せられた。「昆虫記」第一巻はフンコロガシで始まり、再びフンコロガシの子育てに追記している。また彼は「狩りバチ」の観察により、ダーウィンの進化論に痛烈な批判を行った。彼もまた、その熱意と信念で、常識や公式をはみ出した発見をしている。

「一分間さえ休む暇のないときほど、私にとって幸せなことはない」

これも彼が残した言葉だ。
ソクラテス純情派<格言にrealityを>

 平凡な私から見ると、具体的な人生の目的を見つけた人は羨ましい。

先週6年前の教え子に頼んで、生徒たちの前で話をしてもらった。彼女は1年次40人中38番。ところが2年になって、専門教科の学習で「材質の強度」に大変興味を持った。かわいい女の子の関心が、ファッションや男の子ではなく、材質の強度だ。推薦で国立大学に入学し、その後九州大学大学院に進学、現在は「材質の熱伝導」について研究中。なんと来年からドクターコースへの進学を決めたらしい。「卒業するときは27才、奨学金 の借金は700万です。つきあう時はちゃんと言わなくちゃいけませんよね」


 彼女の話では日本人研究者の待遇は外国に比べ相当厳しいらしい。どこの大学院も中国人であふれている。資源のない日本が生き抜いていくには、まず外交戦略と科学技術だろう。前者が全く期待できない以上、研究者の待遇はもっと手厚くすべきではないか。

 あまねく子供手当てを配り、農家の戸別補償 をすることが選挙対策の公式かもしれない。だが大学教育、研究者への投資は、ちゃちな公式をはるかに超えて、将来日本社会へ大きく寄与してくれるはずだ。