先日、若年性アルツハイマー型認知症のご主人が夫婦の記念に写真を撮っているというニュースを見掛けました。
老齢者の場合は、うちの母がそうだったように、呆けたと思われるのを嫌い、周囲が病院に連れて行こうとしても嫌がる事が多いので、本人が認知症を自覚していないケースが大半だと思いますが、若年性の場合は、本人がなんかおかしいと気付き、診察を受け、告知され、認識している事が最大の違いのような気がしますね。
コメント欄には、『高齢者に絶対に言ってはいけないのは「さっき言ったでしょ!」とか「どっち?」』とか、恐らく周囲に認知症患者はいないんだろうなぁ、という綺麗事で他人事のコメントが並んでいます。
「さっき言ったでしょ!」を何度か繰り返して、周囲がひょっとして認知症?と思い至るのですから、高齢者に言ってはいけないは机上の空論です。
そもそも若年性の方の記事なので、高齢者についてコメントするのがおかしいのですが、若年性に関する情報が圧倒的に少ないので、高齢者の認知症について知ってる事を書いてみたという感じなのでしょう。
ところで、以前から思っていた疑問なのですが、この「さっき言ったでしょ!」とか「どっち?」と言ってはいけないとか、どうやってその結論に至ったのでしょう?
他にも「色々やらせた方がいい」というのも良く言われます。
自分が認知症である自覚も無ければ、症状を正しく説明する事も出来ない人が相手ですから、本人からその効果を聞く事はまず不可能でしょう。
ある患者は好きにさせて、別の患者は自由にさせないといった比験を
何百人もに対して行い、MRI等で脳の萎縮を検査した訳でも無いでしょう。
効果を確認する方法が無いのに、こうすればいいとか、こうしてはいけない、とどうやって判断したのでしょうか。
となると、何人もの患者を診て来た人が何となくその方が進行が遅いように感じるというレベルの話でしか無いように思います。
また、「色々やらせた方がいい」にしても、何かを頼んでも、やり方が分からなくなっていますし、何を頼まれたのかも忘れてしまいますから。基本的には「あれだめ」「これだめ」「あれしろ」「これしろ」とひとつ一つの行動を遮るとか指示するなど、言わない方がいいとされてる言葉の連呼になるので、下手をすると逆効果なのでは?と思わないでもありません。
我が家では1年位の間、極力何もさせないようにしていて、その結果、結構進行させてしまったように思っていたのですが、医師にはそれほど進行していないと言われました。
というように、第三者の印象など、当てにならないと思うのですが。
あとは、同居の家族が、それを鵜呑みにするか、多少は自分たちの生活を優先するかのバランス次第という事でしょうか。