最近、カー雑誌系のメディアでホンダの4WDに関する記事が多い。
雪上試乗会が開催された事が一番の理由だと思うが、要するに4WDのアピールにホンダが力を入れ始めたという事なのだと思う。
内容としては、
・後輪用モーターを追加する方式と比較して、機械的にトルクを配分する方式も捨てたものではない
・使い物にならないと思われていたホンダの4WDも案外いいじゃないか
というものが多いように思う。
という訳で、一般的な4WDについておさらいしてみる。
1. パッシブ式
ビスカスカップリングなどで、機械的に通常駆動輪のスリップを検知し、機械的にトルクを振り分ける方式。
機械的であるが故、トルク分配までのタイムラグが大きいとされる。
比較的安価。
ホンダではフィットなど。
2. 電子制御式
各種センサーで駆動輪のスリップを検知し、多板式クラッチなどでトルクを振り分ける方式。
センサーの精度や制御次第でスリップを予期し、トルクを配分する事も可能。
1. よりコスト高、センサーの精度や制御内容次第で際限無く高くなる。
ホンダではヴェゼルやCR-Vなど。
3. モーター式4WD
ベースがFFとして、後輪用モーターも用意、2.のように各種センサーで検知した状況に応じて後輪用モーターを駆動する方式。
2.と同じく制御内容や後輪用モーターの出力によって、1.程度のものから2.の高度なものまで対応が可能。
ノートやトヨタのe-Fourなど。
.1.と2.は1つの出力源から前後に出力を分配する為、プロペラシャフトが必須、プロペラシャフト回りのフリクションも発生。
3.は、プロペラシャフトは不要だが、後輪用モーターを遊ばせて置く機会が多くなる。
例えばトヨタ アクアなどでは4WDではFF用に後輪用モーターを単純に追加した形になっており、通常時は何十万かのエクストラコストを払ってバラストを積んでいる状態と言えなくも無い。
アクアは4WDになると100kg、RAV4では50kg重くなり、フィットでは70~80kg、CR-Vでは50kg重くなる。
大きく重いモーターを積む方が重量増が小さくなり、大トルクを伝えられる方がやはり軽くて済むという不思議。
ちなみに、CR-Vは最大40:60までリアにトルクを配分するので※、その場合、110ps/19.26kgmとなる。
※勿論ホンダなのでCR-Vの紹介サイトのどこにもそんな事は書かれていない
RAV4の後輪用モーターは54ps/12.3kgmだが、CR-Vと同じトルクをリアに掛けようとすれば今の2倍近いモーターが必要になり、リアにトルクを掛けるとフロントモーターやエンジンが遊び、通常時はリアが遊ぶという状態になる。
図にするとこんなイメージ。
最近は3.が主流になりつつあり、BEVになれば3.になって当然という論調なのだが、緻密な制御が可能になれば当然2.の制御も緻密になり、BEVであってもプロペラシャフトで分配する方式の方が出力を無駄なく使い切る事が出来るのでは?と個人的には思っている。
勿論、常時4WDで走る設定であれば、その限りでは無いのだが。
と思っていたら、また見つけました。。。