アルファタウリ/レッドブルへのPU供給契約も2021年までしか更新しておらず、2022年以降の去就が不透明だったホンダですが、2021年を最後にF1を撤退する事が発表されました。
撤退理由は「カーボンニュートラルに専念」とされていますが、ま、建前ですね。
NRE、インディカー、F1とレース専用エンジンを3つ持っていますが、現時点でハイブリッドなのはF1のPUのみで、カーボンニュートラルに関する知見が得られるのもF1のみです。
2022年からはレギュレーションが変わるとは言え、3カテゴリー全てから撤退するのでない限り、単なる言い訳でしょう。
もっとも、今回のF1参戦は参戦した事自体が間違いだったとも言えます。
参戦を決定したのは前任の伊東社長。
1. 参戦即勝てる見込みが無かった
1年遅れでの参戦は正気の沙汰では有りません。
第二期の成績はテレメータによるフィードバックの確立によるもので、エンジン技術で圧倒した訳でも無く、第三期では見るべき点も無く撤退し、KERSの経験も無いホンダが何を勘違いしたんでしょう?
メルセデスは2008年位からハイブリッドの研究してたんですよ。
2. 参戦目的が不明確
伊東社長の戦略は世界販売台数600万台が目標という拡大路線でした。
当然、F1参戦も販売台数拡大の為のプロモーションだと思いますが、第二期、第三期とF1が販売に繋がらない事は証明されています。※
そりゃ、そうです。
F1に勝ったところで、そこからイメージ出来る車がシビックType-Rくらいしか無いんですから。
販売に繋げたいなら何かを変えなくては。
結果的には販売に繋げるどころか、企業イメージを毀損するような出来でした。
八郷社長としては、社長になった途端、ダメダメPUな事が発覚して、さっさと止めたくて仕方無かったに違いありません。
まともなPUになって、ようやく撤退出来るというのが八郷社長の本音でしょう。
撤退を決めた社長という事も有り、元々評判が悪いとか色々書かれていますが、八郷社長は、伊東社長の尻拭いばかりさせられてたという印象ですね。
唯一問題があるとすれば、今回このタイミングで撤退する事で、今後F1復帰する道を完全に断つ事になる、という事でしょうか。
2025年までPUのレギュレーションは大きく変わらないのですから、2025年一杯まで頑張って欲しかったところです。
2022年にホンダPUの資産をアストンとかに売り、そのアストンがタイトル獲ったりして・・・
それにしても、ホンダがさっさと「Type-R」をブランドにしていたら・・・
※F1が販売に繋がらない事は証明されています。
と書いたのですが、それは永く続けないからで、
ホンダ 第二期 1983年~1992年
M-TEC 1992年~2000年
ホンダ第三期 2000年~2008年
これを一貫して続けていれば25年継続参戦という事になり、欧州のファンにとっても永く継続参戦しているメーカーとして認知され、評価もまた変わったのでは無いかという気がします。
F1公式サイトが「Honda's Greatest Moments in Formula 1」という動画を公開しているのですが、最後の方に出て来るテロップの『AGAIN』に『てめぇら、またかよ!いい加減にしろよ!』というニュアンスを感じてしまうのは気の所為でしょうか。