コロナ禍でフリープラクティス1の直前にキャンセルされたオーストラリアGPから3カ月半、オーストリアGPで2020年のF1が開幕しました。
翌週は同じレッドブル・リンクでシュタイアーマルクGP、そして今週はハンガロリンクでハンガリーGPが今日から始まりました。
レッドブル・リンクは昨年レッドブル・ホンダが復帰初優勝を飾り、ハンガロリンクはフェルスタッペンが初のポールポジションを獲得した験のいいサーキットで期待が高まっていましたが、レッドブル・リンクではメルセデスが格の違いを見せつけ、ハンガロリンクでも少なくとも初日レッドブルは速さを見せる事が出来ませんでした。
車体についてもオーバーステア気味(リアのダウンフォースが相対的に低い)と言われていて、コーナー出口でのアクセルオンのタイミングが若干遅れているように思います。
PUについても、某ドイツ紙はホンダPUはメルセデスPUより20馬力劣っていると報じ、メルセデスのPU関係者はホンダPUの方が早くデプロイが切れていた、とコメントしているようです。
PUがメルセデスに追い付いていないのはホンダの浅木さんも認めているところで、オーストリアGPの前に「メルセデスに追い付きたい」とコメントしていました。
フェルスタッペンなんかも開幕後、車体とPU両方で改善が必要、と言っています。
さて、この20馬力はどこの差でしょう?
MGU-Kによるアシストは最大120kWですが、最後まで120kWという訳では無いと思うので、ホンダのデプロイが切れ、メルセデスのデプロイの切れる寸前の差が20馬力という事でしょうか?
一方、ホンダの山本部長は今シーズンの開発制限で「PUとしてパフォーママンス的に出来る事はない」と語っており、PUの改善を諦めたかのようなコメントをしています。
PUは以下のような制限があります。
本体の開発が許されないとすれば、出来るのは上記赤太字部分の制御のみでしょうか?
この部分の制御はMGU-H相当の機能を市販車に搭載しようとするだけあって、メルセデスに1日の長があるようです。
これに成功しなければ、レッドブルの車体で20馬力分凌駕しないといけませんが、相手はメルセデスF1過去最高の傑作と言われるW11です。事実上の終戦となってしまうように思います。
メルセデスに20馬力負けていると言われるホンダPUですが、自称最強のPUであるルノーPUは35馬力負けているそうです。
メディアは違いますがフェラーリは25馬力負けているらしいので、
メルセデス (20馬力) ホンダ(5馬力) フェラーリ (10馬力) ルノー
という事になります。
今のレッドブル・ホンダはパワーで15馬力劣るルノーPU勢より速く見えないので、前途多難です。
せめて、アルボンが常に全体の4番手以内に付けられるところまで開発を進めないと。
明日のハンガリーGP予選が楽しみです。