ランス・ストロールの父親であるローレンス・ストロールがアストンマーチンの大株主になり、2021年からレーシング・ポイントがアストンマーチンに名称が変わる事になっています。
ローレンス・ストロールは盛んに「ワークス」という言葉を使っているのですが、どういう意味で使っているのでしょう?
下の記事でも使っています。
レーシング・ポイントF1 「レッドブルから100名のアストン従業員が転籍」
一般的には、メーカー直系の組織が運営するチームをワークスと呼びますが、F1においては、メーカー直系の組織が車体とエンジン(PU)を開発し、運営しているチーム、という事になるでしょうか。
また、アルファタウリ、レットブルとホンダのように車体開発会社とエンジン開発会社が緊密に連携を取り、それぞれに最適化された設計を可能とする体制もワークスと呼んでいます。
パパ・ストロールの言う「ワークス」とはどれなのでしょう?
アストンマーチンは自動車メーカーですから、「メーカー直系の組織が運営するチーム」にはなると思いますが、PUはどうするのでしょう?
買収される前のアストンマーチンも一時はPU開発を検討していたようですが、2021年にPUのレギュレーションが大きく変わらないとなった事で断念したはずです。
ですので、PUを自前で開発するとは思えないのですが。
ホンダを見ていれば分かる通り、2021年に自前のPUで参戦するには、現時点でベンチで回っていないと無理でしょう。
となると、名前だけの「ワークス」か、メルセデスがチームとしては撤退、PUマニュファクチァラーに専念し、アルファタウリ、レットブルとホンダのような関係になるか、のように思います。
RP20がメルセデスW10の完コピなのは、メルセデスW12(2021マシン)≒RP21(アストンマーチンになるので名称は変わるでしょうけど)の布石だったりして。
ところで、パパ・ストロールはアストンマーチンのエグゼクティブ・チェアマンに就任したのですが、F1の事しか言っていないような気がします。
下記は上のリンクの記事からの抜粋ですが、
「エグゼクティブチェアマンとして、私は最終的に我々が実施している戦略に責任を負う。この戦略の基礎は、アストンマーティンを2021年のグリッドにワークスフォーミュラ1チームに戻すことにある」とローレンス・ストロールは語る。
自動車メーカーの戦略の基礎がF1のグリッドに自社名のチームを並べる事って、そんな経営者居るのか?という感じです。
燃費の良くない大排気量エンジン中心のメーカーとして、CO2排出量制限にどう対応するかなど考える事は山ほどあるでしょうに。
そもそもパパ・ストロールはファッションブランドへの投資で財を成した、所謂投資家で、経営者として優秀かどうかは全くの未知数のように思います。
そんな人に経営を任せて良いのか不安ですね。
何となくですが、息子の為なら数百億の買い物など安いもの、とレーシング・ポイントをアストンマーチンという名前にする為だけに大株主になったように感じます。
とは言え、今年のピンク・メルセデスは速そうですからね。
来年、アストンマーチンとなった時、あのピンクをどうするのか見ものですが。