7月15日(日)にテレビ朝日で『警視庁・捜査一課長』スペシャルが放送されました。
CMで「あの男が帰ってくる」と煽っていましたが、つい一カ月前にシーズン3が終わったばかりですから、随分と早い帰還もあったものです。
シーズン1, 2の大福(斉藤由貴)、シーズン3のモナカ(安達祐実)に続いて、スイーツ担当の女性刑事として宮崎美子が高井智代子(チョコ)役で登場しました。
モナカの「濃密な人生経験」の連発に少々胃もたれしていましたので、モナカよりあっさりしたチョコで良かったです。
ストーリーは“謎の暗号”を所持した男性の遺体が発見されるところから始まります。
意味不明な文字が書かれた紙切れを第一報の段階で“謎の暗号”と決めつけるのは警察的に有り得ないと思いますが、それは置いておいて、事件が起きたと思われる時刻に保育士(芦名星)が近くにいたも分かり、更にその保育士が政治家ともコネクションのある有名企業の女性社長(山本陽子)の養女であることも分かってきます。
芦名星が出て来たからといって、相棒ではありません。
そして被害者が30年前の未解決の幼女誘拐事件の目撃者だった事から、30年前の事件との関連を見せ始めていきます。
30年前の誘拐事件は被害者夫婦が身代金の問題で揉め、妻(麻丘めぐみ)が階段から突き落として死なせてしまうという事件も起きていました。
現場近くに居た保育士が30年に誘拐された幼女で、その養母であり当時から財力も人脈もあった女性社長が誘拐犯で、今回の被害者は目撃証言を偽証した共犯者で、女性社長が口封じに殺害したと考え始める捜査一課の面々でしたが・・・
真相は、働きもせず、いつも泥酔し、娘の為に貯めたお金に手を出すだけでなく、DVも働き始めた夫に、娘の身の危険を感じた妻が思わず殺害してしまい、自身の罪を減刑すると共に娘の将来のために誘拐を装って同郷の女性社長に娘を預けた、でした。
ちなみに、今回の事件の犯人は麻丘めぐみの勤務先の上司でした。
うーん、幾つか不自然なところが有りますね。
時系列的には以下となります。
1. 夫を殺害
2. 女性社長に相談
3. 誘拐を偽装
4. 今回の被害者に偽証を依頼
殺害後に相談しているところから、あまり計画性は無かったと思われます。
警察に通報したのはどのタイミングでしょうか?
4.の後に、1.より前に誘拐されたと通報したのでしょうか?
夫の死自体は隠蔽していないので、死亡推定日時はほぼ確定していると考えられます。
身代金で揉めた事を原因とするには、夫の死以前に誘拐された事にする必要があり、誘拐されてから数日経って通報したことになります。
誘拐事件の捜査で子供の目撃情報も集めるでしょうから、計画性が無かったとすれば、誘拐された後も自宅周辺で目撃されている可能性もあるのではないでしょうか?
また、殺人の事後処理を相談する程の関係であれば、女性社長とは定期的に連絡を取り合っていた事でしょう。
今は暴力夫だとしても、蜜月時代はあった訳で、当然知人として紹介するなり、結婚式に参列するなりしていたのでは無いでしょうか。
だとすれば、娘の貯金に手を付けるまでエスカレートしていれば、女性社長に借金して来い!くらいの展開になっていてもおかしくないように思います。
殺人や偽装誘拐をするくらいなら、女性社長の力で弁護士を立て、手切れ金を払って離婚するという方法もあったように思います。
また、身代金の要求があった事になっていて、子供も解放されていないのであれば、身代金の算段は継続して行われたはずです。
当然、借りられる知人は居ないか?という話になり、女性社長の存在も浮上しているはずです。
などなど、論理的に破綻したシナリオでした。
やっぱり、一カ月くらいで帰って来たのが敗因ですかね。
ps.
芦名星の母親としては麻丘めぐみも山本陽子も年齢が上過ぎるのでは?と書いている人がいましたが、
誘拐された子供は当時3歳、現在33歳という設定です。
ちなみに芦名星の実年齢は34歳。
麻丘めぐみの実年齢は62歳ですから、29歳の時の子供となりますから、違和感など全くありません。
山本陽子は養母ですから、年齢差を気にする方がどうかしています。
40年前の事件にした方か良かったのでは?とも書かれていたのですが、そうすると麻丘めぐみ19歳の時の子供となり、こちらの方が違和感あり過ぎです。
調べもしないで書く人が多いんですね。