最近、紙面を賑わせている森友文書「改竄」問題。
安部首相絡みでは森友学園と加計学園の疑惑があるが、加計学園の加計理事長と安部首相は紛れもなく友人で、安倍首相が直接指示したかどうかは別として、閣議決定による獣医学部新設の募集や「広域的に獣医師系学部が存在しない地域に限り」獣医学部の新設を可能とする法改正での他道府県の排除などの流れを見ても、岡山理科大獣医学部新設は安部首相の意を汲んだものである事は間違いないと思う。
一方、森友学園の方は籠池夫妻がパーティー等で首相夫妻の知己を得て、昭恵夫人が名誉校長を引き受けたのを良い事に、首相や昭恵夫人との写真などを使って、首相夫妻の意向とは別に、近畿財務局に対して交渉を優位に進めたもの、と個人的には思っていた。
初めて会った支援者やファンと親しそうに写真に写るのは政治家やタレントであれば、日常の事であろうし、名誉校長なども依頼されれば基本的に断るケースの方が少ないと思われるので、この2つは親密さを何も表わしていないと考えるからだ。
森友学園に有利な方向に進める事で、安部首相の覚えを良くしようと考えた人間が介入したのも間違いないと思うが。
勿論、その背景には、意を汲んだ人間にはメリットがあり、公正な手続きを墨守し、意を汲まなかった人間には報復人事が待っている、と周囲が認識していればこその「忖度」であり、安倍晋三という政治家が国益よりも私益最優先の公明正大の対極にある人物であればこその事件なのだが。
しかし、文書「改竄」問題の報道でこの個人の思い込みも怪しくなって来た。
政府は、2月24日の佐川元財務省理財局長の答弁と整合性を取る為に財務省が勝手にやった事、にしたいようですが、籠池夫妻に弁護士を通じて2月20日に財務省理財局の課長補佐(上長は佐川元局長)から身を隠すよう指示が出ていたそうで、それ以前に何かが起きたと考えられます。
何かとは色んなところで報道されていますが、それは、2月17日の「私や妻が関係していたということになれば、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということははっきり申し上げておきたい」という安倍首相の答弁です。
もし、森友問題が官僚が勝手に忖度した結果、起きたのであれば、財務省は首相夫妻が当件に関与していない事を百も承知な訳ですから、文書から昭恵夫人や政治家の名前を削る必要などありません。
にも関わらず、最初に決裁された文書は非常に詳細に経緯や前後の出来事が書かれたもので、文書改竄は過去に類を見ない程（そもそも公文書の改竄などそうそう起きるものではありませんが）、広範囲に行われています。
という事は、文書の改竄理由は、最初の決裁文書に登場した人物達、そこには、安倍晋三が議員を辞めなくてはいけない人物の名も書かれていましたが、が当件に関与しており、それを隠蔽する為、としか考えられません。
一方、佐川元局長は、首相の国会答弁の後、（インタービュー等で言質を取られないように）籠池夫妻を隠し、国会でも文書の存在そのものを否定する答弁で首相を守ろうとまでした結果、職を追われ、刑事訴追の可能性すらある状況に追い込まれています。
佐川元局長は国会での証人喚問も取り沙汰されていますが、辞職したとは言え元公僕です。
今の太田理財局長などは理解していないようですが、公僕の主は政治家でも首相でもなく、国民です。
証人喚問が実現した際には、公僕の主は国民であるという原点に立ち返って全てを証言して欲しいものです。