2018年のF1のプレシーズンテストがスペイン・バルセロナのカタルーニャ・サーキットで2月26日から始まりました。
日本人としては、車は良かったがPUがダメダメ、と言われて、ホンダと袂を別ったマクラーレン・ルノーと新たにトロロッソと組んだホンダがどうなのか気になるところです。
F1のタイヤはピレリのワンメイクですが、昨年の大きく重たくなる車体のレギュレーション変更にワンストップかノーストップで走り切れてしまう保守的(長持ちする)なタイヤにしてしまった反省から、今年は1グレード柔らかくし、更にハイパーソフトを用意して来ました。
昨年最も柔らかかったのはウルトラソフトでしたが、今年のスーパーソフトが同じ位柔らかく、今年のハイパーソフトは昨年のウルトラソフトより2グレード位柔らかいという事になります。
それを踏まえて、テスト初日を見てみると、
マクラーレンは51周走り、スーパーソフトで、ベストは1m22s354。(7位)
トロロッソは93周走り、ソフトで、1m22s371。(8位)
気温も路面温度も低い上に、午後は雨が降り出し、タイムはあまり当てになりません。
2日目途中経過では、
マクラーレンはハイパーソフトで、ベストは1m20s325。(暫定3位)
トロロッソはソフトで、1m21s318。(暫定6位)
他チームは、
フェラーリがミディアムで1m20s168。(暫定1位)
メルセデスがソフトで1m20s270。(暫定2位)
レッドブルがミディアムで1m21s014。(暫定4位)
ルノーがソフトで1m21s212。(暫定6位)
2日目も気温、路面温度共に低い(午前中は4~5度)ようで、タイヤの作動温度域に上げるのが難しいようです。
昨日に比べて周回数も少ないようですが、トロロッソは順調そのもののようで、現地時間の15時時点で59周とメルセデスと並んで最多周回を刻んでいます。(マクラーレンは37周)
2017年5月のスペインGPのQ3進出のカットラインが1m21s3くらいですから、この気温で且つ本格的にタイムアタックしていない状況としてはタイムはかなり出ています。
タイヤを加味して考えると、やはり、フェラーリ、メルセデス、レッドブルの三強は揺るがないところです。
続いて、ルノー、トロロッソという感じでしょうか。
マクラーレンはハイパーソフトでのタイムで、ソフトより2秒くらい速くて当り前という気がしますので、ルノーよりは遅いのでは無いでしょうか。
気になるのはマクラーレンだけが両日共他のチームより2, 3段階柔らかいタイヤを履いている事です。
言ってみれば、マクラーレンだけが予選用タイヤを履いていて、他のチームは本選用タイヤを履いている、といった感じです。
だからと言って、タイムを出すために履き替えたという訳では無く、Live updatesを見る限り、かなり早い段階から柔らかいタイヤを履いています。
ここからは想像ですが、今年のマクラーレンはタイヤに熱が入りにくい車で、硬めのタイヤだと全くグリップしない為、柔らかいコンパウンドを選んでいるのでは無いでしょうか?
この気温で自分達だけが柔らかいコンパウンドが必要というのは彼らにとっても想定外でしょう。
気温や路面温度が上がっても同じ傾向であれば、相対的に2, 3段階柔らかいタイヤを使わざるを得ず、その分タイヤ交換の回数が増える事になります。
そして、残念ながら、そのタイムロスをリカバリーするだけの速さは持ち合わせていないように感じます。
昨日、バンドーンが「ホンダと別れてマクラーレンに弱点は無くなった」とコメントしていましたが、このタイヤに熱が入りにくいというのは、かなり大きな弱点のように思います。
一方のトロロッソはパフォーマンスも悪くないですね。
ブレンドン・ハートリーは「ドライバビリティは最高。昨年よりパワーもある」とコメントしていますから、昨シーズン終盤のルノーのパワーは超えているようです。
しかも、今回のPUはテスト用という事で、開幕戦にはアップデート版が投入されるはずです。
今年のRA618Hのスペック1は、昨年のRA617Hで言うとスペック6(実戦投入はスペック3.8まで)くらいのものにしたい、という話もあるようなので、期待が膨らみます。
とは言え、まだ始まったばかりです。
気温etcもシーズン中とは全く異なりますので、これからのアップデートが楽しみです。